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蓼科山 [山行09]

         蓼科山2530M      2012-1-8   メンバー   S・H

                 八ヶ岳天狗岳が美しい姿を見せていた

IMG_5901 八ヶ岳天狗岳.jpg

 蓼科山にテント泊の計画が、リーダーの都合によりキャンセルになった。この3連休は好天が見込まれる。山に行かないでくすぶってはいられない。 Sさんに連絡をとり出かけることに。

 佐久を7:30出発 女神茶屋駐車場は満杯だった。やっと一台入れるスペースを見つけ、新雪にタイヤをスリップさせながら何とか駐車。中型バス1台、乗用車が約30台。連休中日ともなると県外車ばかりである。

  準備を終え時計を見ると9:00。 いい時間だ。しばらくは笹原の雪原を登る。約一時間で小ピークに到着。樹林帯の中にテント一張分位の広場があった。そうか、ここなら風も遮られいいかもしれない。少し下って平らな個所を過ぎると、石がごろごろしている今までよりやや多めの雪が着いている急斜面になった。

 樹林帯の急斜面を快適に登る。南寄りの斜面なので、日差しが気持ちいい。枝に着いている雪、針葉樹の緑、その間から覗くのは、真っ青な空。高い山でしか見ることが出来ないこの青さ。紺碧の空。登りで火照った頬には冷たく刺すような空気が触れる。汗でサングラスが曇る。ぐんぐん高度を稼いだ。

 樹林帯はすぐにも終わりそうだったが、随分長い急登だった。一人で登っていたら、途中で何回も休んでいる所だが、頑張る。最近登ってないし、歩いたり、走ったり、していない付けである。後、30分位この苦しさを我慢すればいいのだと自分に言い聞かせて登る。

 蓼科は石ばかりの広い山頂になっている。12:00に到着。小屋脇に行き、風を避けながら昼食をとる。山頂はやはり寒い!12:50には下り始めた。アイゼンの下りは足を絡んで突っかけそうになるし、石の上ではがりがりして歩きにくい。約1時間半の下りだった。

 好天に恵まれ雪山を楽しむことが出来た。


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唐松岳~不帰嶮~鑓温泉 [山行09]

9月20日(日)~22日(火)   唐松岳・不帰嶮・鑓温泉(個人山行)  メンバー T・H

 9月20日(日)晴れ
9:10八方池山荘~9:50第3ケルン~10:05八方池~11:45丸山ケルン~12:30唐松山荘

9月21日(月)晴れ
5:50唐松山荘~6:10唐松岳~7:10二峰の南峰~7:40二峰の北峰~8:40一峰~9:20不帰キレット~10:40天狗の大下り~12:00天狗山荘~13:15大出原~14:30白馬鑓温泉

9月22日(火)曇り
6:10白馬鑓温泉~7:55小日向のコル~9:30猿倉

 20日 シルバーウィーク真っ只中。夏からの天候不順を取り返すかのように絶好の登山日和となった。白馬三山そして明日登る不帰嶮が青い空に頂を輝かせている。三日間は天気の心配が全く無い。先週の五竜から鹿島槍行きは二日目の悪天候で下山。そのリベンジとして、不帰嶮~鑓温泉をTさんに計画していただいた。100%の展望である。久しぶりに「あの頂を目指す」という感慨に浸りながら、トレッキングや登山する人々で賑わう八方尾根を登った。昼には唐松山荘に到着。午後は宴会となった。Tさんはテント、私は小屋泊。小屋まで登ってきたTさん。高度計を見ながら「70M登りましたよ。」と汗ばんでいる。こりゃあ大変。小屋も大変。どんどん増える登山客でスペースが狭められ遂に布団を半分に折り、くるまって寝ることになった。ただし、小屋は新しく、木の香りがするし、トイレは中にあって清潔、快適な小屋泊まりだった。                                                 21日 いよいよ不帰嶮へと向かう。今日も快晴。唐松岳山頂から先を望む。どんな所が待っているのか「楽しみ」が目の前に姿を見せた。きれいな稜線から左方向から廻り込んで、岩塊尾根へと進む。

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唐松岳山頂から一歩下るといきなりそこは岩場と滑りやすいザレた急峻な登山道。石車に乗って滑ってしまいそうで大変。最初からびっくりさせられた。しかし、大丈夫。そこから2峰の南峰~2峰の北峰まで1時間30分は、普通の登山道が続いていた。そして、2峰の北峰に到着。先を見ようと覗いたが、入り口の岩しか見えず切れ落ちている。ここからが不帰嶮の核心部になった。梯子でおり、クサリでトラバースをしながら岩場を下る。岩場ではあるが、狭いながらも登山道があり、岩も掴み易い。 

  15分ほど降りたところに、ひょっこり道標が立てられていた。                              <唐松小屋2時間←不帰嶮→天狗小屋3時間>                           随分古いもので、文字は白くなって浮き出しており、木は白く脱色して枯れていた。

  途中何人かとすれ違った。どの人も不帰嶮を快適にこなしているように見えた。 ところが一人とても大変そうな人がいた。びっしょり汗をかき、はあはあ息を切らせながら、杖に寄りかかって私たちに道を譲って待っていた。そして「速く。速く来て。この下は急だからゆっくりいきな。」と喘ぎながらアドバイスまでしていた。いい人だと感じたけれど、駅伝の中継点になだれ込んだランナーのごとき人に何と言ったらいいのか思いつかず「は、はい。」と通り過ぎてしまった。杖を持ってまでして岩場を急いでいる??可笑しな人に行き会ったものです。                                      確かにその下は今までよりワングレード上の長い岩場。そして、こんな橋(写真)が架かっていた。私は足が隙間に入ってしまいそうなので及び腰でびくびく渡ったけれど、さすがTさんは写真のように、まるでサンバのステップでも踏んでいる軽やかさだった。

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  続く岩場は、物見の岩上部を長くしたような所。登山道のように広い場所は僅かだが、スタンス、ホールドともに沢山ある。冷たい岩の感触を愉しみながら気持ちよくクライムダウンした。不帰嶮核心部2峰の北峰下りの全ルート ●印には人がいる。上から4番目の●に橋がある 。

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40分ほどで核心部を通過。1峰に向かう。ここからは稜線歩きとなった。時々足を留め、剱岳・立山の山並を眺望。青く、くっきり聳え、山襞まできれいに浮かび上がって見えていた。「何ていい日に登ることが出来たんでしょう!」これ以上はとても叶わない。山で天候に恵まれる幸せをたっぷり噛み締めた。                                                          次は、天狗の大下り。緩やかなカーブを山肌に描いて登っている。中間辺りがザレ場。最後の40Mは50度くらいの斜面に広がる平らな岩場を登って終了。クサリなどいらない。楽しく登った。       後は、温泉に浸かることを楽しみに、天狗山荘から下る。さて、ここも初めて通ったのだが、何とクサリや梯子が随分沢山あった。ただの下りより変化に富んで楽しめる下りだった。チングルマやナナカマドの紅葉とハイマツの緑、山肌の白と茶色のコントラストが見事なハーモニーを奏で、どっぷり山に浸かって歩いた。、険しい道を谷底に向かって下った。そこには、屋根から湯煙を噴き上げている鑓温泉が待っていた。                                                            22日鑓温泉から猿倉まで下る。三つの大きな沢の細い板の橋を過ぎ、雪渓上に土砂崩落が覆いかぶさっている上を渡った。登山道は随分荒れていたが、無事下山。素晴らしい山行になった。

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                               鑓温泉  


五竜岳~鹿島槍ヶ岳 [山行09]

9月11日 12日   メンバー S・TN・KT・O・KK・T 

今回は久しぶりに山岳会の例会山行に参加。                                 男性5名に混じって女性は私が一人。                                       まったく久しぶりだと言うのに会の中でもごっつい山男ばかり。土台、体力差は歴然としている。    最近はゆっくり歩いて、どっぷりマイペースに浸かっている身としては本当に気合を入れて一生懸命歩かねばならない。それでも、今年はぜひ八峰キレットに出かけたいと考えていたので参加。

8:30 五竜テレキャピンを降りる。今日は金曜日。残念ながらテレキャピン上のリフトが動いていないので地蔵の頭までの斜面を歩き始めた。先頭はいつもにこにこしているTNさん。ゆっくりゆっくり歩いてくれているのがよく分かる。いいペースを作って登っていく。

冬はスキー場になっている場所に高山植物が植えられ、斜面の歩道には四角い石を敷き詰め自然園を散策できるようにしてある。ハクサンフウロ、ネジバナ、アサギリソウ、アキノキリンソウ、シシウド、ハクサンボウフウなどが、まだ花を付けている。植えられている中には、なんと、白馬岳と八ヶ岳にしか見られないウルップソウまであった。花の話に盛り上がった。山男の心根は花のように繊細なのかも知れない。登る道中出てきた、ミヤマリンドウ、アサギリソウなどに目を留め「下より色が鮮やかでいいねえ。」とか「おお、これはきれいだ。」と秋の花に感嘆の声を上げたり、「タテヤマリンドウはどの種になるのか。」など花の話題が時々出てきた。花への感動を共に出来、苦しい登りが爽やかになった。

今朝から急に涼しくなった。夏には着なかったシャツと長袖の薄手のもので丁度いい。30分もすると汗ばんだが夏ほどではない。

この尾根は、10年前に下ったことがある。アップダウンの激しいこんな尾根は絶対登りたくないものだと思った。しかし、五竜から鹿島槍に行くにはここが最善短。                          地蔵ノ頭  1673M                                                 小遠見山  2002M                                                 中遠見山   2037M                                                  大遠見山   2106M                                                西遠見山   2268M                                                白山      2541M  標高差 868M  その中で、少なくもこれら四つの山を上り下りする。  一番きついのは勿論最後の登り。西遠見を超えるとぐ~んと下る。目の前には白山への急峻な階段と曲がりくねった登山道が見える。白山は一気に 500Mは登っている。つり橋でもあったらいいのにと思う場所だ。                                                         下った後の登りでバテないように登らなければならない。TNさんは至極ゆっくりで余裕ある歩きなのだが、登りになると私はやや遅れた。すると何気なく立ち止まって待っている。きめ細やかな配慮で、ペースを保って登ることが出来た。

大遠見を登りに入った頃、グミやクロマメの木の実が目立ち始めた。KKさんが「グミは甘いよお。」と頬張る。それを見ると皆食べてみたくなって、クロマメに手を伸ばしては口に入れた。そのうち、「シラタマノキの実もうまいよ。」とKKさん。どんな味がするのか聞くと「病院の味。いや整形外科かな?」と・・・味見をすると・・・本当!整形外科で湿布を貼ってもらっている匂いが口に広がった。KKさんはそれが好きで、食べていると元気が出るとか。私はとてもだめ。歩きながら遅くならない程度にクロマメを目ざとく見つけてはサッと手を伸ばしてもぎ取っては口に入れた。これは、最高!登りの疲れも忘れる。枝から素早く採る様などは自分が猿にでもなったような野生人気分を味わい、口の中で甘酸っぱさが広がり何とも楽しいひと時だった。

山で木の実を探索するのもいいなあ。と再認識。因みにクロマメの木の群生地は、蝶が岳の南側・根子岳・四阿山・浅間山・西岳。KTさんのお勧めが、常念岳から蝶を廻って日帰りコース。三俣を5時に出発すれば11時間で余裕に歩けるという。・・・このコースいいなあ。今の季節だと、明るくなるぎりぎり5:30発かな。お楽しみメニューに取って置こう。

ようやく最終の西遠見山に到着。12:05 五竜が映る地塘が佇む。

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      水の少ない尾根で、池塘は目に優しく美しい。水面にたゆたう五竜に癒される。            ここで、大休止。おにぎりを頬張って後の登りに備える。

さすが500Mを一気に登るのは厳しい。最後の20M手前で一息入れた。気持ちを切り替え白山からざれた道を下って小屋に着いた。14:00                                                         

小屋前から唐松岳方面

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随分早く到着したので、小屋組2人で小宴会。Oさんはビール。私はイズツワイン(コップつきで120CC位のが800円) 酒に弱いけど飲みたいコース向けのお洒落なお酒。山上での乾杯は嬉しい。初対面のOさんはメカに強い技術屋の紳士。カメラやGPSについて教わった。山スキーに向けてこれからGPSを準備しよう。通過経路地図、時刻、標高すべてを記録できる。普通山行にも役立つ優れもの。

小屋の窓から、雲に覆われた丸い太陽が西に落ちていくのが見える。北の空はややピンクに染まっている。明日は雨の天気予報だが予定通りに登ってきた。西側は比較的明るいし、夕焼け空なのだからと希望的観測を持って夕食後6時50分のニュースを待った。しかし、午前中60%午後90%の結果。低気圧が通過する。・・・リーダーに知らせようと小屋から出てみたが、テントは既に灯をおとしてし~んとしている。仕方無いので布団にもぐりこんで就寝。

金曜日は山小屋が空いている。8畳に4人。布団は敷きも掛けも2枚ずつ。布団の横に荷物は出したまま、広々と贅沢な宿泊になった。

朝4時。起床。準備をして荷物を持ち、小屋入り口の机で食事をとるべく出ると、テント組がそこで荷物を整理していた。今日の行動を協議。リーダーが外に出て確かめる。「雪が降ってます。」と入ってきた。「うん。夕べも降っていたよ。」とテント組。リーダーが決定を下す。「迷ったときは撤退。今日は撤退しましょう。」「明るくなって足元が見えるようになったら出発。」に決定。

小屋から出ると風が冷たい。小雨だがこのまま稜線を歩くのは辛いだろうと予想できる。頬がやけに冷たい。二重にした手袋でも長時間風雨に当たっていたら凍えて来るに違いなかった。小屋から白山を登って下り始めた。KTさんが「これだけ歩いてもちっとも身体は温まらないね。」と言う。『行きたい。行きたい。キレットを越えて鹿島槍に行きたい。だけど、やっぱり下りてよかったと思いたい。』そんな気持ちが伝わってくる微妙な響きだった。

白山中腹まで降りると、もう汗ばんできた。小休止をして雨具の下を薄着にしたら、もうひたすら撤退。下りとは言っても4つのピークは越える。それでも下りの方が圧倒的に多い撤退の五竜トーミ尾根、昨日の4分の1の体力で済んだ。勿論、クロマメを摘まむことは忘れない。

昼には五竜キャピン下の風呂に入って行動食の残りで昼食。リーダーとTNさんは大谷原へデポしてあった車をとりに行ってくれた。

体力度を心配していたが、「大丈夫。ゆっくり行きましょう。慌てることは無い。」というチームの皆さんの温かい言葉は有難くペースオーバーになることもなく、見かけだけごっつい山男と一緒に歩くことが出来た。また、言葉に出さないバックアップも多くあった。お陰様で真面目に歩く(持続して長時間歩く)ことが出来るように回復してきた自分を見ることが出来た。

  アップダウンの多い五竜トーミ尾根は登り涯があって愉しめるコースだと認識を新たにした。

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またくるよ~!
・・・夏休みの宿題をやり残している気分・・・

黒部源流域を訪ねる [山行09]

” 黒 部 の 山 々 ”

山に全てを托し 
     
   やまなみに酔いしれ 
花を愛で 
                                 
    霧に隠される山々をひたすら歩き
    
    未知なる世界を覗いた

    ゆったり まったり 山の息遣いを耳に 山の温もりを肌に

    ・・・・・・・・・何度も何度も座って確かめた・・・・・・・・・・・ 


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 誰もいないと分かるときっと動いているだろう?雲の平の台地

    雲の平を守るように聳える 

水晶岳    鷲羽岳   黒部五郎岳

    あの山もこの山も なだらかな山容を見せながら 

緑に溢れ 雪を頂き 花を咲かせる

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花咲き山 に行った

きっとこの花々は子どもたちが 

おばあさんが おじいさんが あのお姉さんが お兄さんが

咲かせた花々

一歩 一歩 登って 歩いた 山々

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ あ り が と う ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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秘境に入り”またぎ”たちと力を合わせて今を築いた人

伊藤さんにお会いした

登山者として未熟者の私など寄る術もないが

「黒部の山賊」

心に残る一冊

 面白可笑しいのに科学を忘れない

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最も奥まったところにある山 水晶岳

岩山を越えて行った

水晶の結晶がいくつもあるように岩山がいくつも連なっていた

砂礫の花束とカールの花束を両手に夏を謳歌

冬、吹きすさぶ風に向き合い 孤高に気高く立っている姿が目に浮かぶ

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 何日も歩いて行って
何日も歩いて帰ってきた
深い深い山

 


裏銀座縦走 西釜尾根  [山行09]

裏銀座縦走6日目 8/11 晴れ

          西 釜 尾 根  ~ 黒部の山よまた会おう ~

台風は、その影響で大きな災害をもたらしたが、幸い本体は東に逸れた。
予定通り西釜尾根から槍ヶ岳を目指すことが出来るようになった。

準備を済ませ双六小屋入り口に出ると、小屋の若い男性が皆さんをにこやかに送り出していた。
「西釜尾根はどうでしょう。」と声を掛けると
「大丈夫です。いいですよ。」と太鼓判の返事だった。
そうか。一般登山道なのだ。一歩一歩歩けばよい。もう何も心配せず出発。

少し登って小屋を振り返る。ガスに曇っている。
双六小屋は、山小屋であることを忘れるほど快適だった。
飲むことが出来る水が水道からふんだんに出ている。
ごみは、燃えるごみ、缶、ビンに分けて回収してくれている。
布団は一人当たりたっぷり一枚、気持ちの良い清潔なもの。
トイレは水洗。乾燥室はジェットヒーターでがんがん乾く。
食事も普通の旅館並み。・・・・快適この上なし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でした。
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ガスが上がってきてモルゲンロード現象。自分の姿が映っている
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歩きながら、ラジオのスイッチを入れると、今朝5時7分頃、静岡沖で大きな地震が起きたらしい。
アナウンサーの切羽詰った声、気象庁の記者会見、各地の震度などを流している。
何と言うことでしょう。豪雨が過ぎたら今度は大地震。
その最中を殆ど大きな影響も受けずに私は奥山を一人歩いている。
よかったと思うと同時に何だか申し訳ないような気持ちにもなる。

20分ほどで樅沢岳2,755M しばらく眺望を楽しむ   
昨日まで歩いた山々
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今日、目指す山
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昨日雨の中、小学2年生の子が登った山
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新穂高温泉のロープウエイと焼岳・乗鞍岳
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この稜線も花がいっぱいだった
トリカブト・アザミが秋を語る
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しっとりハクサンイチゲ
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草原の花ミヤマタンポポ
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最盛期を過ぎているコバイケイソウ
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ミヤマキンポウゲに混じってシナノキンバイ
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ミヤマリンドウ  
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ハクサンチドリ
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徐々に岩礫が多くなり、花の種類も変化を見せる
岩が流れを作っている
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イブキジャコウソウ
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シコタンソウ
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タカネシオガマ
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タカネミミナグサ・・・岩礫に上から下まで群生。霧に濡れて下を向いている
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すでに3時間が過ぎている。そろそろ西釜尾根だろうか
先に岩尾根が見える
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そのとき、真上に槍の穂先が見えた。顔を上に向けるほどの高さに驚く
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砂礫の登りが顔を出した。
ひと登りして休憩
これが西釜尾根?想像していた岩場ではなかった。砂礫の登山道。
右側の小さなコルまでの急斜面を登った。
確かにクサリはあるが、役に立たない。ストックで雪山を登る要領でOK
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まだもう少しかな
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一箇所だけ、急斜面の砂礫を登ったが、あっけなく西釜尾根は終わってしまった
千丈乗越に到着
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ここからの登りに備え、ゆっくり昼食
フランスパンに温かいコーンスープ、チーズとサラミをかじった。
これは、北海道の山に行ったときのメニュー・・・何日経っても美味しく食べられる
朝食のとき双六小屋ではポットにお湯を入れて置いてくれてあった。わざわざ頼まなくて良い。
ここにも登山者の気持ちをよく知っているサービスがみられ有難かった。

最後の登り。厳しいと書いてあったが、ブナ立尾根に比べたら楽勝だった
槍の肩近くには鮮やかな花々が待っていた ゆっくりゆっくり愉しむ
ミヤマキンポウゲ、タカネツメクサ越しに西釜尾根を望む
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やはり槍の穂先は魅力がある
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ここにもクモマグサ
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岩場にハクサンイチゲが美しい
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ミヤマキンポウゲがいっそう鮮やか
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とうとう着きました
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~~~烏帽子岳・野口五郎岳・東沢乗越・水晶岳・祖父岳・雲の平・黒部五郎岳・鷲羽岳・西釜尾根~~
   
           豊かで奥深い黒部の山々を心行くまで愉しむことが出来た

             ” あ り が と う ~ ~  ! ” 

   
槍に登って家で待っているSちゃんにライブカメラ越しに挨拶をしようと思ったが・・・
少しずつガスが濃くなってきている。登っても見えなくなりそうなのでキャンセル。
槍山荘に一度は宿泊も頼んだがこちらもキャンセル。
これがチャンス!
いつか泊まってみたいと思っていた徳沢園まで降りることに決めた。
いま2時。急がなくては暗くなってしまう。

すぐさま出発。・・・急いで急いだ・・・がなかなか遠い。
それは覚悟をしていたが遠かった。5時間かかって暗くなりもと7時にやっと到着。
やっぱり暗い森は怖かった。

風呂に入り、豪華な夕食。柔らか~い絶品ステーキ。
頑張って歩いて、走ってきた甲斐があった。
敷き布団2枚に白いシーツをかけて・・ああ~幸せ・・・ZZZ・・・・

~ 美味しいもの やわらか~い布団 毎日入れるお風呂 家族の笑顔に もっともっと感謝 ~

明日は7日目  上高地から新島々。Iさんに大町まで車でサポートして頂き、そこから佐久の自宅に帰る。

裏銀座縦走 三俣 双六 [山行09]

裏銀座縦走5日目 8月10日 雨

          三俣山荘 から 双六小屋 へ


三俣山荘から双六小屋まで約3時間だったろうか。雨の中、美しい花畑を横目にひたすら進む。

大学生2つのパーティーと前後しながらに歩いた。
一つのグループはそれは俊足で、
頭の上まで届く重い荷物を背負っているというのに、私は付いていけない。
コルに下りてカーブを曲がり登りになったらもうその姿は登りきって全く見えない。
何処かに雲隠れでもしたかのように速かった。

ところが、もう一方は、渡れそうな川なのに段差がだめらしく
もどって他の場所から恐る恐る渡る。
聞いてみると、同じ山岳部だが、二つに分かれて行動しているとのこと。
なるほど。それで、今日は何処まで?と聞くと
「とりあえず、双六に行きます。」と言っていた。

『ははあん。とりあえずそれっていいなあ。停滞して選択肢を残しておく。
私は、ここまで歩いてきたんだから後、西釜尾根を残して下ってしまうと中途半端になる。
一日待って天候がだめならそれはそれで仕方ない。まだ日程には余裕がある。』

とりあえずの一言で停滞することになった。またしても、それが私に幸運をもたす。

小屋に着くと昨日からここで停滞している人、早々に到着してここで宿泊する人など、
午前中の山小屋にはめずらしく沢山の人でごった返していた。

夕方のニュースによると、台風は紀伊半島の南150㌔付近で東に向きを変えた。
北アルプスの予報は「曇りと霧。北の風が強いでしょう」だった。
小屋周辺も午後は雨もやみ、夕方には穏やかな空模様となる。

一方、下界では豪雨で大変なことになっている。
兵庫県では女子高校生とお母さんが遺体で見つかったとか、
小学生が行方不明になっているなど十数人が豪雨災害に巻き込まれている。
痛ましい災害の状況らしい。

家では山が荒れているのではないかと心配をしているだろうと衛星の公衆電話で連絡を取った。
テレホンカードで掛ける事が出来てとても便利だった。
ネパールに出かけたとき、衛星電話を持っていったことがある。
通話料は高いが連絡をとれるのは嬉しい。

同室の女性2人は単独行だった。この山域には何回か来ているらしい。
明日の行動に付いて相談すると
茨城から来たという方が
「大丈夫よ。もう空は晴れてきているし、風も無いわよ。」と楽観。
彼女は私の話し方から私の仕事まで当ててしまい
「歌を歌ったら素敵な声が生かせるわ~」など私は乗せられっぱなしだった。はははあ

西釜尾根は、上から見ると中々の岩尾根だったから・・・
台風の吹き返しの風でもあれば大変だなあ~~~~~とまだ心配。
布団の中で、再度ガイドブックで西釜尾根のルートを確かめる。
クサリがあるとか、痩せ尾根とかいてあるのみ。どうも分かりにくい。
八ヶ岳の横岳、剣の様なのかなあ?
カラビナ2枚シュリンゲ2本で確保して行けば岩なら大丈夫か・・・・など
いろりろ考えて眠りにつく。

田中澄江さん書
・・そう言えば、50代後半に裏銀座を物凄い速さで歩き通したと著書にあった。
その時のものなのだろうか。
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タグ:裏銀座縦走

裏銀座縦走 黒部五郎岳 [山行09]

裏銀座縦走4日目午後 8/9 晴

          野 口 五 郎 岳 トレッキング ~ボタンキンバイ~
 
黒部五郎は、山頂から裾野に掛けて山体の半分は削られカールになっている。

さらに、北側斜面にもう一段、規模の小さいカールを従えている。
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8月9日 午後[曇り][晴れ]
今日は、手前カールまでを目標として三俣山荘からの往復散策をした。
テント場から右に入って行く。真っ直ぐ登ると双六岳になる。
斜面はお花畑。草原にはコバイケイソウが白さを際立たせている。
「コバイケイソウと鷲羽岳・ワリモ岳」  鷲羽岳は南側から見るとなだらかで穏やか
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アオノツガザクラ  やや小ぶりで上部だけ膨らみ三角状
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岩とキンポウゲが美しい
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キンポウゲとチングルマ
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キンポウゲとハクサンイチゲ
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水晶岳も見えた
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道が川? それとも 川が道? にずっとなっている  
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歩く人が少ないので、登山道の真ん中にチングルマが小山を作っている
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雪渓を通過
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岩と緑の庭園
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こんな庭に遊べるのは幸せ・・・
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ハイマツ帯の斜面(河原)を下るとカールが待っていた。残雪はあとすこ~しだけ。
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滾々と湧き出す清水・・・この一滴が黒部川へと流れを作る・・・

人は源流と定められた場所でないとその価値を見出せないようだが、私は拘らない。

この水も貴重だ。
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「ダイモンジソウ」
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「ボタンキンポウゲ」・・・利尻島特有の花・・のはずが・・ここで巡り会えたのでしょうか・・
              間違っているようでしたら、どなたか教えてください。
登山道のど真ん中。踏まれてしまったのか、下の方の花はつぶれている。
でも、確かに八重のキンポウゲ。
本当に?と目を疑った。一生会えないと思っていた花なのに・・・

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ああ~ここまで足を延ばしてこんな素敵な花に会うことが出来た。

何て私は運がいいんでしょう。

この花を踏みつけていってしまう人もいる。

さっき行き会った男の方など「あまり咲いていませんでしたよ」などといっていたの

、ここは花で埋め尽くされていた。

どの花も精一杯に生き、美しい一輪を付けている。

しばし草原で風と水と花と山に浸る 

「雲の平・左下にたどると小屋・上は水晶岳」
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<ハンディーを持ちながらも登る>
帰り着くと出かける前に小屋でお会いした福岡の方が外で景色を眺めていた。一昨日双六までの登山道で転倒して額に怪我をされていた。ちょうど双六小屋そしてここにも診療所があり、丁寧に診て頂き登山は続けても大丈夫と言われたとのこと。それにしても、眉間辺りにガーゼを付け、周りも赤くすれた傷跡のある顔は痛々しかった。親しく話すことが出来、お元気そうなので安心した。
夕食時隣り合わせになり、梅とトロロ昆布を頂く。どうしたのかと思ったら、15年前胃癌手術で胃を殆ど取ってしまい酸っぱいもので胃液を補充。夕食のみご飯を頂くことができるのだそうだ。それでよく山を歩くことが出来ると感心。病後、四国巡礼から始まり登山にのめり込むようになったと言っていた。


<96座を登った小学2年生>
鷲羽岳を下っている時、小学校低学年の子どもさんが2人ぐんぐんと登ってくるのに行き会った。「すごいなあ」と思っていたら、夕食の時、向かいの席になった。食べるのはさすがに遅いが、おじいちゃんに促されながら出されたものは大人と同じように全部平らげていた。凛々しい面立ち、意志を持って貫こうとする気迫が顔に滲み出している。夕食後声をかけた。1年生と2年生とのこと。「百名山を96座登っているんです。孫のほうが速くてもう私はついていけませんよ。」とおじいちゃんは嬉しそうに話してくれた。そこまでやるのか!日本一でしょう。と感心。山で教えられることがどれほど大きいか。こんな人生のスタートもあるのかと驚かされた。翌日、雨の中、「笠岳」に登ると仕度を整えていた。さすが、おじいちゃんは念入りに服装を看てやり、それに甘えるようにされるがままになっている1年生の子は可愛かった。小屋を出るときは「お世話になりました。ありがとうございました。」と立派な挨拶を残して行った。



<近づく台風>
大きな台風は沖縄の南を通って大陸に向かったようだが、南海上にもうひとつ熱帯低気圧が発生し、台風になった模様。今回は北に向かい、日本上陸もありそうな進路となっている。
夕食後テレビで確認。明日は紀伊半島沖そしてあさっては東海または、関東付近。その影響で、各地で大雨洪水警報が出されている。明日は雨。あさっては風も強くなりそう。最悪状態の予報だった。
明日は、新穂高温泉に降りるのが賢明かと考える。


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裏銀座縦走 鷲羽岳 [山行09]

裏銀座縦走4日目 8/9  霧 

   ~ 鷲 羽 岳  我が故郷の山々浅間山・八ヶ岳を展望 ~

あけぼのに染まる空に、ゆったりと青いシルエットを浮かばせる富士山

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5:12  水晶小屋にて
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水晶小屋を出ると、なだらかに降りた。池塘とお花畑。
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左に目を移すとこれから登るワリモ岳・鷲羽岳が聳える
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さらに左には、あさって目指す槍・穂高
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ワリモ分岐。
いつか歩いてみたい祖父岳・雲の平をしばし眺めた。
水晶岳では北側から横たわっている姿眺め、ワリモ分岐では東側の祖父岳側から縦に連なっている姿になった。祖父岳から溶岩がうねりを作って流れ、そのまま台地になって止まっているように見える。これは、あくまで見た感じである。地殻の生成はどのような歴史をたどっているのか、後で記したい。
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分岐から先をひとしきり登る。イワオオギ・タカネヤハズハハコ・ミヤマタンポポなど岩の裾に群れる
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ふと気づくとワリモ岳山頂を過ぎてしまった。小さな岩塊だった。
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先には見事な稜線が・・・・鷲羽・・・壮大で爽快!!
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稜線のイワツメクサ   花が丸みを帯び、表で見るものより愛らしい
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1時間半で山頂に到着   右から槍ヶ岳、東釜尾根、大天井、常念   
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山頂から四方を展望
眼下には旧火口そして西釜尾根・槍へと続く
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我が故郷のやまなみ・八ヶ岳・浅間山がくっきり見えるではないか。他には富士山と南アルプス。

毎朝洗濯物を干しながら眺める八ヶ岳。

裏の窓を開けると煙を上げる浅間山。私は毎日真っ直ぐ浅間山に向かって車を走らせ通勤している。

北アルプスのこんな奥まった場所で、このように鮮明に出会えるとは思っていなかった。

しかも、遠くにある山なみは、あと南アルプスのみ。八ヶ岳と浅間山の独占パノラマになっている。

期待をしていなかっただけに嬉しさで心が躍った。

・・・・しかも・・・その3分後には、沸き揚がるガスですべて隠されてしまった。

私のためにカーテンを閉じるときを待っていたのです・・・


「八ヶ岳」
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「浅間山」
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右には「笠岳」
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後ろには「黒部五郎岳」
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そしてここからは南の斜面が見えるようになった雲の平・真ん中のコルに小屋
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素晴らしいやまなみのスクリーンを胸に温かい気持ちで鷲羽岳を下る。
三俣山荘は山々と丘陵の緑に守られるように佇んでいた。
黒部の山賊はここを拠点に黒部の山々を駆け巡って、熊や鹿を捕り、岩魚を捕まえる生活をした。


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黒部の源流  
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小屋手前にはお花畑  こんな綺麗なコバイケイソウは初めて
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10時には小屋に到着

昼食後、食堂兼喫茶室で休憩。
絶対食べようと決めていた”ケーキセット”を注文してゆっくりお茶をした。

さあて、天気もなから持っていることだし、黒部五郎トレッキングに出かけることにした。


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裏銀座縦走 水晶岳 [山行09]

裏銀座縦走3日目午後  8/8 晴れ

       ~ 水 晶 岳 その名のごとく煌く山 ~

水晶岳は美しさを湛えていた。岩屑の山に見えるが稜線に続く岩稜は、登りが快適で楽しい。また、南側斜面は乾燥した岩礫に咲く花々、北側カールには緑豊かなお花畑を控え、そのまま岩壁まで埋め尽くす。南面と北面のコントラストがそれは見事で印象に残る。バックは眼下の残雪。切れ落ちた岩と花と雪渓そして黒部の大きなやまなみは素晴らしい景観を織り成している。
稜線の先が水晶岳
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稜線にて
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黒部の山々は鼓動を刻み大きなうねりを魅せる。
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岩山が輝く
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トラバースする登山道
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カールの上部
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岩頭の向こうにワリモ岳・鷲羽岳
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花の宝庫・・・その1 北面カールに咲き誇る
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ミネウスユキソウ
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カンチコウゾリナ
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花の宝庫・・・その2 南面岩礫地の3種
「シコタンソウ」
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「タカネツメクサ」
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この名前はぜひ知りたい。
他とは離れて岩の隙間に小さな株を作っている。タカネツメクサとは花びらがちがう。同定出来ない。
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水晶岳山頂
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水晶から先の岩尾根を進むと赤牛岳に到る
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午後からは薄日が射し、黒部の山々の様子を雲の切れ間から少しずつ眺望出来るようになった。
祖父岳から雲の平を望む  (なだらかな丘陵地真ん中に雲の平山荘)
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左から鷲羽岳・ワリモ岳・黒部五郎岳への山域
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北西には黒部湖が霧の合間に見え隠れする
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雪渓で一休みして喉を潤す
槍がようやく姿を見せた
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素晴らしい景色と花々との出逢いを胸にたっぷり満たし、満足して山小屋へ。

夕食はカレーライス。これがまた絶品!夏野菜と肉もたっぷり。こんな美味しいカレーってなかなか食べられるものではない。隣の奥さんは「おいしい。おいしい。」の連発。お代わりを3杯もしていた。・・・幸せ・・・

壁に貼ってある小屋に纏わる話と写真が目に留まった。ここにしっかり建てられるまでには、様々な苦労があったようだ。そして、その横に、今ここで働いている方のメッセージが。「小屋に泊まられる方全員の顔を覚えてしまいます。・・・・」と言っている。心を込めた小屋の誠意が伝わってきた。

本棚を覗き「黒部の山賊」を手にとって見た。何と、この小屋の持ち主、伊藤正一氏執筆だった。『黒部で捕った岩魚を一斗缶に詰めて背負い、夜の間歩いて槍を越え、上高地や松本に売りに行った』という話を読んだことがあることを思い出した。それがこの本に書かれている山賊のことだった。歴史の流れに翻弄されつつもその生き様を貫いた”またぎ”たちと伊藤氏との人間的な深い関わりがそれは面白く語られている。タヌキだの、河童だのお化けの話なども事実と照らし合わせながら書かれていて飽きない。

そこで、伊藤氏はまだ健在なのか小屋の方にお聞きすると、夏の間は三俣山荘におられるとのこと。ぜひどんなお方なのか会ってみたくなった。明日は三俣山荘に宿泊を決めた。ワリモ岳と鷲羽岳を越える。

夜中に目を覚ますと、窓から月明かりが差し込んでいた。明日は晴れそうだ。





~その他の花~
ミヤマリンドウ
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ミヤマキンバイ
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アカモノ
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タカネシオガマ・シコタンソウ・チョウノスケソウ・タカネツメクサ
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チョウノスケソウ
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裏銀座縦走 野口五郎岳・東沢乗越 [山行09]

裏銀座縦走3日目 8/8 雨のち晴

             ~ 裏銀座核心部 野口五郎岳 真砂岳  ~

個室でゆっくり休んだ。朝ごはんは夕べもらっておいた弁当を半分お粥にして食べる。お粥に梅漬けをいれ、おかずは弁当に入っていた岩魚の甘露煮。美味しかったあ!

仕度を整え5:00に出発。30分ほどで野口五郎岳山頂。大きな山に違いないと思っていたのだが・・見えない
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山なみの美しさを愉しむことが出来るこのルートだが、あいにくの雨模様、ガスに巻かれている。幾つかの山を越える。所々に直径2M~3M以上もある石の積み重なった登山道があった。濡れている石で足を滑らせたり、つまずくなど許されない。ガイドブックには痩せ尾根とか、岩礫としか書かれていないが、痩せ尾根はそんなに大したことではない。石を渡って歩くことの方が危険である。私が歩いた中では一番厳しいかもしれない。こんな登山道は表銀座には無い。やはり裏銀座縦走の核心部。

野口五郎小屋~水晶小屋までには3箇所のお花畑に巡り会った。
野口五郎岳を下った辺り。
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振り返った先は野口五郎岳
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ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲ、ヤマブキショウマ、コバイケイソウクルマユリ・・・ 
花々に埋めつくされる草原
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IMG_0183.JPG「ミヤマゼンコ」
IMG_0182.JPG「オンタデ雄」
IMG_0181.JPG「「タカネヤハズハハコ」
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IMG_0190.JPG「テガタチドリ」

ここから約2時間。
急峻な深い谷底に一本真っ白で荒々しく下っている流れが浮かび上がっている。ワリモ沢。
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広い鞍部に到着。雨も上がり薄日が射してきた。雨具やカメラを干してほっとする。
下ってきた山も見えるようになった。
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IMG_0197.JPG残雪を頂くワリモ岳
黒部側は緩やかな谷、青い山々が霧に見え隠れしている。
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気づくとすぐ目の前には彩り豊かなお花畑がひろがっていた。
ハクサンフウロ、ミヤマトリカブト、ハクサンボウフウ、オンタデ、コバイケイソウ・・・が群れている。

・・・花たちは力強く荒々しく自由な姿態を自由に伸ばし、競い合い、支えあいながら生きる・・・
       ~~~夏を謳歌~~~群舞を織りあげる~~~
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IMG_0220.JPGイワオオギ、ムカゴトラノオ
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ひとしきり花と戯れ出発   
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ひと山越すと赤茶けた登りがもうひと山。砂礫を好む花々が次々に姿を現す。
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IMG_0235.JPG切れ落ちている淵にミヤマクワガタ
IMG_0250.JPGミヤマウイキョウ
IMG_0243.JPGタカネスミレ   
IMG_0256.JPGクモマミミナグサ
IMG_0257.JPGミヤマオダマキ
IMG_0297.JPGイブキジャコウソウ
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小屋手前の急登では花々と丁寧に挨拶を交わしながらゆっくり上がった。
振り返ってびっくり。険しい道でした。
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水晶小屋に着いたのが10:40  
アップダウンが激しく、足元の悪い山々を雨の中頑張ってきたので、もう登るのも、歩くのも疲れてしまった。高天原まで足を延ばすつもりだったが、そろそろ疲れも出る頃、水晶小屋でゆっくりすることにした。
小屋では赤ちゃんを背負ったお母さんが応対に出たのでびっくり。写真を撮らせてもらった。まだ5ヶ月とのこと。孫のSちゃん2歳と重なって見え本当に可愛い~~「山小屋の赤ちゃん」[揺れるハート][揺れるハート][るんるん]
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お昼にする。レモンの丸かじり。今朝の残りのご飯にトマトスープを入れて煮込む。あれ~?とろけるチーズを忘れてきたことに気づいてがっかり。受付のお兄さんがじっと座っている。視線を感じながらも全く気にならない。やっぱりおばさんだね。
ゆっくりお茶して・・・さあて・・・「水晶岳」はまったく視界に入っていなかったけどどうだろう。お兄さんに聞くと昔は水晶を掘り出したとか。花が綺麗とのこと。さっそく水晶岳へトレッキングに出かけた。

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裏銀座縦走 烏帽子岳 [山行09]

裏銀座縦走2日目 8/7  曇り 時々雨 霧
        
            烏帽子岳  ~狭い山頂 スラブを登る~

朝3時過ぎから騒々しい。がさがさと荷物をいじったり、どすどすと何のためらいもなく足音をさせてトイレに行く。「こんなに早く起きたって暗いよう~」「同室の女性三人も夕べ4時に起床と言っていたので4時までは寝るんだ」と決め込んでまたうとうと。目を覚ますと3時53分・・・・そこへサアーとカーテンを開けてIさんが顔を出し、「もう4じだよ」と叫ぶ。・・・まだ7分あるでしょう?時刻は守れよなあ。女性だけの部屋にずけずけと入り込んで叫ぶなど言語道断!寝起きの悪い今はなおさら・・・・4時に起きるんだってばあ・・・・
ゆっくり起きて整頓を済ませて炊事場へ。Iさんは首を長くして待っていた。そういうのは違反だって!
朝は味噌汁にご飯を入れてお粥1杯。Iさんはラーメンが食べたかったらしいけど、私はお粥。男の人って、残したり、食べなかったりするから付き合うの大変。盛り付けたの位我慢して美味しそうに食べちゃうのが山でしょう。・・・・はあ~  言っちゃった・・・・  と、これは娑婆の話では片付かない。食べるの寝るのは動物の生きる根源なのだから。



   烏帽子岳    南沢岳    不動岳    船窪岳 
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烏帽子岳はスラブ状の岩が何枚も縦に重なりながら突き上げている。
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砂礫地には小さなコマクサが咲き終えていた。
「リンネソウ」が岩陰に
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僅かに岩登りとなっており、何も装備の無い丸腰と思うとやや緊張。一番上の覗き窓になっている所まで登って眺める。
「すべりだいになっている右側の岩」
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「振り向くと岩峰と船窪岳」
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「左側には四十八池」
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烏帽子を下って四十八池へと足を延ばそうと行きかけたが・・・やめることになって引き返した・・・そして、Iさんは下ることに。単独行の始まり。烏帽子小屋を出発野口五郎へと向かう。
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一歩小屋から離れるとそこにはひょうたん池がありお花畑が広がる。
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「チングルマ、イワカガミ、アオノユガザクラ、タカネシオガマなど等」
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「ミヤマキンポウゲ」
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「コガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)」
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「オヤマソバ」
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「チングルマ」
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「エゾシオガマ」
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「ミヤマゼンコ?」セリ科は難しいので専門家に任せよう。
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砂礫となっている稜線に出る
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針の木岳よりまたひと回り可愛らしい「コマクサ」
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「イワキキョウ」と「イワツメクサ」の混生。自らの美しさを引き立たせる術を自然のうちに身に着けている。
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ガスの切れ間に少しだけやまなみが姿を見せる。稜線の右側をトラバースするように登山道が延びている。青い山は赤牛岳だろうか。
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岩の塊だ。もしかして三ツ岳かな。それにしては小さい。ひたすら足元に目を落として歩く。
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道が二つに分かれている所に出た。「どっちにしようか休んで考えているの。」と、さっき追い越された20人パーティー。私は迷わず『お花畑コース』を選ぶ。だってもう一方は『展望コース』で今日は見えない。

霧に佇む「ハクサンイチゲ」
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雨でも晴れてる「ウサギギク」
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お花畑が終わると・・・またひたすら登山道を登ったり下ったり・・・長いながい道のりに思えた  これから先の水晶小屋までなどとても頑張れない。朝5:00から12:00まで7時間も歩いた。
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12:00野口五郎小屋に到着
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案内された場所は4畳半の狭い部屋。あとから3,4人くるかもしれません。と言われていたので荷物など隅に寄せていたがついに誰も来ず貸切部屋でのうのうと一晩ゆっくり休むことができた。他の人たちは大勢で並んで寝ているのに・・・本当に悪いみたいだけど有難かった。

夕食は、天ぷら、南瓜の煮物、酢の物、魚など豪華。ゼリーのデザートまで付いていた。乾燥室はそれは狭くて3人入ったら一杯になってしまう。

夜、カメラを点検すると・・・電源が入ったままだったり、切れてしまったりしておかしい。「そうだ、雨に濡れて接触し過ぎているに違いない」と考え、電池とカードを抜いて乾かすことに。・・・・この処置が良かった。次の朝にはご機嫌よく動いてくれた。助かったあ。

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裏銀座縦走 ブナ立尾根 [山行09]

・・・初めての領域。独りのんびりと巡った未知の山々。全てを自然に委ねた一週間。なだらかに豊かに広がる山なみ・・深い、深い山奥の花畑・・カールに残る残雪・・滾々と湧き出る泉・・一瞬のうちに変わる空・・どれもが私を呑み込んでいった。・・・

行程 
8月 6日 
ブナ立尾根~烏帽子小屋 ([晴れ]8時間)
8月 7日 
烏帽子岳往復(2時間) 烏帽子小屋~三ツ岳下~野口五郎小屋 ([曇り][雨][曇り]4時間30分)
8月 8日 
野口五郎小屋~野口五郎岳~真砂岳下・竹村新道分岐~東沢乗越~水晶小屋([曇り]5時間)
~水晶岳往復(3時間)
8月 9日 
水晶小屋~ワリモ分岐~割物岳~鷲羽岳~三俣山荘([曇り]4時間)
~黒部五郎岳途中まで往復(2時間30分)
8月10日 
三俣山荘~ 三俣蓮華岳巻道~双六小屋([雨]2時間30分)
8月11日 
双六小屋~樅沢岳~左俣岳~西鎌尾根~槍ヶ岳([晴れ]7時間)~槍沢~徳沢園([晴れ]5時間)
8月12日
徳沢園~上高地~新島々~大町駅前駐車場  

メンバー  烏帽子岳まで I&T あとは T単独


裏銀座縦走1日目 8/6 晴れ後にわか雨

              ~ ブ ナ 立 尾 根 ~

高瀬ダム1270M 烏帽子小屋1551M ブナ立尾根取付点から稜線まで標高差は1200Mになる。アルプス三大急登のひとつだ。
高瀬ダム堰堤からトンネル、そして不動沢の吊り橋、キャンプ場を過ぎ、濁り沢を渡った。右手奥に真っ白に山肌をむき出した急峻な沢その下に清冽な滝が姿を現す。
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最後の水場で休んで登りへの心積もりを吹き込む。とは言っても肌に食い込む陽射しが気持ちを萎えさせる暑さ。登山道入り口には12の番号が振ってあった。この番号は、12~0まで登山道に表示されている。途中で気づいたのだが100M上がるごとに付けられているようだ。小屋までのそれぞれに掛かった時間を記してみよう。
                                 烏帽子小屋 0                       
                                       [グッド(上向き矢印)]20分
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                            ④
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                        ⑤
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                     ⑥                  
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              ⑧
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          ⑨
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      ⑩
    [グッド(上向き矢印)]30分
  ⑪
  [グッド(上向き矢印)]35分
⑫取付点

一目瞭然。7番から3番までの区間に時間がかかっている。厳しい登りに喘いだ区間だ。
登りはとに角ゆっくり行きたいし、そんなに苦労なことは好きではないので、一区間ごとに休みをとった。結果的に休みすぎて疲れた感も無いではないが、ゆっくり、まったり組としてはこれで満足。③から②の40分はもう到着気分で休んでいたし、後から来た20人の大パーティーが追い越していくのを眺めていたから。

では、改めて出発⑫番地点からゆっくり振り返ることにする。

キャンプ場からは、真っ白な河原の砂が太陽の光線をはね返し、暑さと眩しさに攻められること20分あまり。背中も重いし、足がなかなか進まない。寝不足かなあ。歩き始めだから?・・歳でしょう。

泉で一休みしていよいよ尾根の取付に。
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すぐ急な坂が始まり、後ろから来た2人に追い越される。随分ぺしゃんこなリュックだ。これで、何処まで行くんだろう。関西方面から来たと言っていたが。
砂礫の斜面には、鉄板とアルミパイプで作った急峻な階段が設置されていた。手すりにしがみ付いて登り切ると樹林帯に入った。
年数を重ねた立派なブナが木陰を作り、暑さを和らげている。「ブナがあるからブナ立尾根と言うんだろうね。」とIさん。本当。この森のブナは鍋倉山や浅草岳など人里近いところとは違い、勇壮で逞しい巨木が林立している。
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登山道沿いに咲き続け涼しい風を送る「ソバナ」
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「センジュガンビ」深山の花
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「ツバメオモト」濃い青紫に惹かれる
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下から見えた白い崖が今はすぐ横に位置している。少しの雨でも雪融けの水でも怒涛のように崩れていく姿を想像できる。容赦なく山の崩壊を進めている。写真ではうまく伝えられない。
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⑧番地点。ようやく3分の1・400Mを登った。樹木はいつの間にか「オオシラビソ」に変わる。
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深山の針葉樹林帯に生える「タケシマラン」  ・・鮮やかな実・・もう秋・・・・
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⑦番地点 それぞれの地点は休憩出来るスペースがある。
背負子の木枠が置かれていた。山中に人の気配、置いた人の心を想う。
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ここから登りはさらにきつくなる。花に感けて写真を撮って休みながら登る。
「テングダケ」「マイズルソウ」
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「イチヤクソウ(一薬草)」
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「コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)」
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「カニコウモリ」
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「ホタルブクロ」「ヤマハハコ」
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「クガイソウ」
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「マルバタケブキ(丸葉岳蕗)」
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ゆっくりではあっても、一歩一歩登っている。登りにも大分慣れてきた。
三角地点 ④番に着いた。3分の2は登った。
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③番地点には「タヌキイワ」・・・何処から見たらいいんだろう・・・タヌキにしては怖いなあ
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「ミヤマホツツジ」
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もう随分歩いて疲れてきた。林はダケカンバに変わる。亜高山帯から高山帯(ハイマツ帯)への境界線だ。もうじき稜線に出そう。そんな時、①地点に到着!見たこともないほど大きく見事に枝を伸ばしているダケカンバが林立。
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ゆっくり休憩
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しかし、この後小雨がぱらついて来た。小屋へはそこから僅か。稜線に出るとモーターの音が聞こえ少し下り、ようやく木立の向こうに小屋が見えた。小屋では先ず、鮮やかな青紫の花に迎えられた。周囲をぐるっと囲むように足元を縁取っているイワギキョウ。何人かの登山者がカメラを向けていた。しかし、空は黒い雲に覆われ、薄暗くなりぽつぽつと大粒の雨に変わってきた。イワギキョウを横目に小屋の中へと急いだ。と同時に強い雨が屋根を打ち、雷鳴を轟かせた。・・・あのイワギキョウはきっと小屋の方が育てたのに違いない。種を蒔いたのかな?


 夕食はα米とレトルトカレー  「柔らか牛肉たっぷりカレー」「漬物」
タグ:裏銀座縦走

針ノ木峠・蓮華岳2日目~コマクサ~ [山行09]

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目覚めたのが4:30 雨は止み風も弱まってきている。
5:00朝食 残っているご飯を温め、ポタージュスープを入れて出来上がり。残っていた梅と胡瓜がおかず。消化もよくて美味。
昨日夕方蓮華岳に登った人は雨と雷に見舞われた。今日は、何とか天気は持ちそう。コマクサの写真を撮りながらゆっくり観賞できそうだ。

おはよう! 「ウサギギク」
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ひと山越えて稜線を歩き緩衝地帯に入り小さな花畑で一休み チングルマ ミヤマダイコンソウ イワカガミ ミヤマゼンコ アオノツガザクラ
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「タカネヤハズハハコ」
IMG_0158 2.JPG「ミネズオウ」IMG_0164.JPG



砂礫地に入るとコマクサの群落が広がる
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自ら厳しい自然を好み砂礫と寒風、氷土に身を託して長い年月を育んで来た。地表に芽を出すまでには7,8年の歳月を要すると言う。その後は、砂礫の動きとともに根を張って行く。群落と言っても密集はしない。様々な表情を見せる一株ひとかぶ。それぞれの美しさを写しとって擱きたい。
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白いコマクサは絶滅危惧種に指定されている。純白の衣装をまとう花嫁のごとく美しく孤高に輝いていた。

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山頂手前でハイマツや他の植物が見られた。
「コケモモ」子どもの頃、登山のお土産にそれは酸っぱい赤い実があった。山への憧れの実。
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「イワツメクサ」
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「ツガザクラ」
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「イワベンケイ」
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山頂付近には、タカネスミレと混生。あと何十年かしたら植生は変化するだろう。
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「タカネシオガマ」・・・左横にコマクサの葉が見える。今後どちらが優位になるのだろう。
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山頂手前に祠が、次に北葛岳方面への道標そして、三角点が山頂だった。ガスのため展望がない。
帰りは花を再度愛でながら下る。
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「エゾシオガマ」
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「イワギキョウ」
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「ヨツバシオガマ」・・・花の形が鳥の頭のように見えて面白い
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ああ~ たのしかった!! ありがとう
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あとは下るのみ ところが、雪渓を過ぎると沢の斜面をトラバースする登山道。あめが降ってきて暗い。こんな所で熊に行き会ったらどうする?と思ったら怖くなってきた。歌を口ずさむけどそんなに大きな声も出ないし、歌だって「♪右足君よろしくね♪左足君頑張ろうね♪・・・」なんて歌しか浮かばなくて鈴を持ってくるんだったと後悔。

大沢小屋で休むとこれから登るという金沢の方がいた。30分もいろいろ話し込んで下山。扇沢には14時着。駐車場係の方が首を長くして待っていた。明日登るのだそうだ


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人を想えば山恋し 山を想えば人恋し


タグ:駒草

針の木峠・蓮華岳1日目~峠のお花畑~ [山行09]

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人を想えば山恋し 山を想えば人恋し

明治時代後期から昭和初期までの登山黎明期に活躍した百瀬慎太郎の残した言葉。大沢小屋にレリーフがある。単独行の今回、ここに込められている悲哀や温かさを想うと同時に、人として大切なものを示唆されているように感じ、独り黙々と繰り返した。諏訪の書家小宮山雪陽氏はこんな風に解釈している。
この自然人ともいうべき百瀬慎太郎の言葉はとても直截で、山行の人々の心情をよく表している。 しかし、よくよく考えると禅的でもあり、 寒山、拾得のもんどうのようでもアル。 ただただ疲れるだけの山登りとも思われるが、 そこに身を置くと不思議と自分が見えてくるという 効能もある。 今年あたり息子と北アルプスか八ヶ岳に登りたいなあ。

針の木雪渓・針ノ木峠2536M・蓮華岳2794M  7月25日・26日  
<25日>
扇沢駐車場7:40大沢小屋9:20雪渓尻ー雪渓を抜ける12:30針の木峠15:00
<26日>
針の木峠6:30蓮華岳8:20針ノ木峠10:00雪渓上部10:30雪渓尻11:30大沢小屋12:20扇沢14:00

前日の夜、小屋情報を見ると、25日は超満員。急遽、テント、シュラフ、シート、食料を加え、50リットルのザックにする。登山道情報も厳しそうなことが書いてあった。山スキー、雪上訓練、講習会などで雪がある時期には何回か行っているが、夏は15年ほど前に行って今回が2回目。荷物の重さと、渡渉や雪渓のある道を単独で行くとなると、やはり緊張。床に入ってからまた起き出して靴を取り替えたり、アイゼンが合うかどうかを確かめたり、寝つきも悪かった。しかし、準備は万端。少しくらい重くたって、歩いていけば峠に着くことは確か。山に行くことの出来る幸せとテント泊への充実感が大きい。久しぶりの山行き!

扇沢で駐車場係の方に聞くと雪渓は一時間ほどだと言う。それじゃあ2時間を見ていけばよいだろうと、登山道入り口で登山届けを提出して出発。荷物の重さが心地よい。
森の中に入るとさっそく北アルプス山麓の懐かしい花々が待っていた。
「ヤマホトトギス」IMG_0004.JPG
「トリアシショウマ」「クガイソウ」
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針の木遊歩道に入るとやや急になる。小さなステップで疲れないように登る。ここは緩い山道なのでウオームアップにはよい。と書いていたが、きつい部分も多い。ブナの樹林に入る。
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看板にブナの説明があった。大きく分けて、日本海側と太平洋側の二種類あり、林内の植生も違うとのこと。

大沢小屋までには鳴沢、苔沢、赤沢、3つの沢を渡る。苔沢は伏流水で、名水に挙げられている。15年前故武田武氏がここで「この水は日本一なんだ。」とあの大声で自慢していた笑顔が忘れられない。あのとき、武田氏はワインにガラスのグラスを背負い上げて飲ませてくれた。焚き火を囲んで語った夜も追憶の中に温かく仕舞われている。
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「シナノナデシコ(信濃撫子)」信濃に多いことから付けられた。
IMG_0023.JPG山はもう秋だなあ。紫がきれい。IMG_0023 3.JPG
大沢小屋に立ち寄り、登山道や登山者の様子を聞く。先週に比べたら登っている人は少ないようだ。苔沢の水でコーヒーが飲めるとのこと。IMG_0027.JPG
「百瀬慎太郎のレリーフ」下の茶色の銅版はよく見えなかったが、早大生籠川谷遭難慰霊の碑?
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小屋からひと登りすると雪渓の雪を残す籠川が急斜面の下に見え、木の梯子がかかっている。
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「オトギリソウ」 山を始めた頃、この名前が付けられた由来を聞いた。人の業を描く命名は気の毒だ。最もどの花にしても人の都合で付けられている。
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「バイカツツジ」?IMG_0052.JPGIMG_0049.JPG
「ウツボグサ」
IMG_0056.JPG「クルマユリ」IMG_0057.JPG
「ミソガワソウ」 子どもの頃オニヤンマが発生する清水の脇にツリフネソウやオドリコソウなどがふんだんに茂っていた。シソ科の植物でそれらと似ている。地味なしっかりものの美しい嫁さんというイメージ。どこか悲しげな姿も漂わせている。
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鮮やかな明るさを谷の斜面に散りばめている「ニッコウキスゲ」
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「オオバギボウシ」
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籠川に丸太の橋が架かっており、足元には激しい流れが渦巻いている。そこを渡るとすぐ雪渓尻。アイゼンを装着。雪渓の上で休む訳にはいかないので、ゆくりながらもひたすら登る。ノドの辺りから急登になった。ひとつのパーティーに抜かされる。
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ガスの中の雪渓を苦しさと戦って登ることしきり。やっとマヤクボ沢を過ぎた辺りで先が見えた。赤ガラは右にカーブして終わっている。中間辺りで先行パーティーが右側に寄って休んでいる。しかし、この雪渓が終わるまでは休まず頑張ろうと決めて歩く。やっぱり厳しい。一時間以上を休まず歩くのはスタミナが切れてしまう。は~休みたいよう。と思ったとたんに力が減退。そう言えば、昔「葬送の曲」を胸に歩けって言われたなあ。など思い出しながら一歩一歩登った。
雪渓を抜け、登山道にたどり着き一息突くと、爺が岳、岩小屋沢岳が現れた。
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ここからが最強の急登になる。しばらくガレ場を行き、針の木峠直下に出た。コルの中に沈んでいる針の木峠にある小屋は見えない。大小の石に混じって赤土が覆っている斜面。ジグザグに折り返す登山道を木枠で敷いている。雪や雨ですぐにでも崩されてしまいそうである。
・・・・と、そこに花々が出迎えてくれた。ゆっくり愉しんで登る。・・・・・
「イワカガミ、チングルマのつぼみ、白い花は?」IMG_0080.JPGIMG_0110.JPG「白い妖精アオノツガザクラ」
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峠が見えるまで登りつめると岩場はお花畑。
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小屋の若い方が下の大沢小屋と連絡をとっている声が聞こえる。「はい。もうこれで皆さんこちらに着いた訳ですね。」と言っている。そうか。休んだり、花を見たりしているうちに二十人くらい抜かされてしまい、最後尾をキープしたのか。ははは  まあもう少し花を愉しませていただきます。
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花畑の向こうにはスバリ岳IMG_0118.JPG
ようやく小屋に辿り着くと雨に混じって雷鳴も。このぐずついた天候のために登る人の数が少なくなってどうやら空いているとのこと。苦労をして背負って来たテントだけど、乾燥室で衣類を乾かし、布団の上でぬくぬくと休み、屋内のトイレに行く楽々生活には変えられな~い。と即素泊まりに決定。根性無いから・・・・これが、正解。夜になると激しい雨に強い風が窓を叩き、朝方まで荒れていた。

夕食は、家で放り込んできた『しっとりやわらか牛肉ビーフカレー大盛りレストラン用』超美味でした。

隣で5人の女性がトマトジュースでアルファー米を炊いていた。それも美味しそうだった。この次にはトマトスープの粉末と、セブンの真空パック鶏、またはスライスサラミととろけるチーズにしよう。ジュースを700mlとはバイタリティーのある方たちだと思っていると、部屋がちょうど一緒だった。七倉尾根から北葛岳、蓮華岳と登ってきたという。蓮華の大下りを登ってきたのだ。登りよりも、七倉乗っ越しから北葛岳のクサリや梯子の連続が大変だったらしい。5人は千葉、長野、群馬などそれぞれの友達の集まりでよく一緒に登るらしい。縦走が多いらしく健脚なコースを挙げていた。明日は4:30に朝食もとらずに出発。針の木から5山を越えて柏原新道から下りて12時間の行程だという。

明るいうちにシュラフにくるまって・・・Zzz・・・zzz・・・雨と風の音を夢心地にぐっすり休んだ~~~~
















八ヶ岳~ウルップソウ~ [山行09]

ウルップソウ(得撫草)
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氷河期の遺産と言われ、白馬岳、八ヶ岳のみに見られる貴重な高山植物。
この花が美しく咲く姿にはなかなか逢えない。今回やっと一株が待っていてくれた。

八ヶ岳 硫黄岳2760M・横岳2829M  2009・7・11 メンバー2名 T&I 
行程:夏沢鉱泉6;40-オーレン小屋7;00ー赤岩の頭9:40-硫黄岳山頂10:20-横岳山頂12:40-硫黄岳14:05-夏沢ヒュッテ14:50-オーレン小屋15:20ー桜平16:30

この一週間は毎日のように雨だった。朝激しく降る日、昼間天気雨になる日、時雨れる日など梅雨空はずっとぐずぐず。しかし、雨はどうでもよい。この時期、八ヶ岳の稜線を雨に打たれて歩くのもいいものだ。寒くはないし、合羽から伝わる雨の潤いも気持ちいい。

夏沢鉱泉を出発。登山道脇の谷川は鳴岩川支流。あるところでは激しく、あるところではゆるやかにリズムを刻むように流れる。水の勢いを増し、飛沫をあげ、木々の葉を揺らす滝。
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手を浸したくなるせせらぎ。
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冬は流れがそのまま凍りつき氷流の芸術を織り成す。
苔むす森は八ヶ岳の魅力のひとつ。IMG_0041.JPG
雨上がりの道。シラビソのツンとした香りが脳の奥底まで沁み入り、日常の喧騒がすうっと消えていく。
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「オサバグサ」 シロバナノヘビイチゴ、ズダヤクシュ、キバナノコマノツメに混じってさっそく姿を見せる。小さくて目立たない。樹林下で密かに花を付け、釣鐘状で可愛らしい。
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オーレン小屋は改修をして建物が大きくなり、風呂やトイレなどとてもきれいになっていた。一休みしながら、硫黄岳までの二つのルートのうちどちらにするか話した。Iさんは夏沢峠ルートを主張。しかし、夏沢峠から硫黄までは急登。ガラ場が続いて花も少ないのでひたすら登りしかなく今まで良い印象は持っていない。一方赤岩の頭は友と花を愛でながら登っている。私の好きな黒百合も咲いていた。・・・ということで、勿論赤岩の頭ルートに決定。
「グンナイフウロ 郡内風露」・・・小屋前で
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シラビソの樹林を登る。若木が背を伸ばし樹林の下にもう一段緑の原を成す。
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「トロピカル」 きのこの妖精がすらりと立ち、清楚な花を付けようとしていた。
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中間地点辺りだろうか。ここから斜面がやや変化して登りにかかる。木々が途切れ明るくなった。と同時に小鳥の囀りが重なり合って響いてきた。チチチチ・・・・  チルルルル・・・ ギャー ギャー ククク・・・「あっ!あそこ・・・」     辺りにはマイズルソウ、ゴゼンタチバナ、オサバグサが群生。
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斜面を横切るように登ると「ダケカンバ」の林に入る。
霧が晴れ朝の光が差し込んできた。柔らかい芽吹きが爽やか。
今日は晴れる。何てラッキーなんでしょう。
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「キバナノコマノツメ」 草の中にある花は、鮮やかで伸び伸びとしている。
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そして、ハイマツ帯へ。この辺りには「黒百合」があるはずだが、まだ時期が早い。
僅かの区間、登山道が荒れている。渡してある横木の下の土が削られ、ごろごろと石がむき出し段差が大きい。そこを過ぎると展望が開かれ赤岩の頭に出た。

『八ヶ岳!』 赤岳は険しく厳しさを現しながら、濃い緑にその美しさを聳え立たせている。岩稜連なる横岳、岩肌を突き上げる大同心、鋭く削られた斜面、それらを覆う豊かな青い緑・・・八ヶ岳・・・・やっぱりいいなあ~
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   『八ヶ岳の嶺花』
「イワカガミ」
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「イワヒゲ」岩隙に根を下ろしていた。朝露が残っている。
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「ヨツバシオガマ」 精一杯背伸びをして青空を仰ぐ。毎年株を大きくしながらここまで立派に成長した力強い個体。
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「ミヤマダイコンソウ」IMG_0200.JPG
「ツガザクラ」日本固有 硫黄岳への岩稜にてIMG_0215.JPG薄ピンクが輝くIMG_0217.JPG
硫黄岳山頂にて「イワヒバリ」  
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硫黄岳山荘の近づくとコマクサが群生。つぼみをつけたばかり。じっと時を待つ硬い蕾。IMG_0225.JPG
「あっあれは何だろう。鹿かな?」とIさん。見ると、谷底の草地になっている沢に茶色の点々がある。写真に収めた。画像をアップすると三頭が草を食んでいた。南アルプスでは鹿の害が広まり、山頂近くの高山植物さえ食べ尽くしていると聞いた。八ヶ岳も例外ではないようだ。
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涼しげな岩に身を置く「イワウメ」
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「阿弥陀岳とハクサンイチゲ」・・・しとやかで落ち着いた雰囲気が似ている
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・・・ウルップソウ・・・
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ウルップソウという言葉はロシア的な響きだと思っていたが、千島列島の得撫島で最初に確認されたことから名付けられたという。千島、樺太、アラスカへと連なって分布している。葉が肉厚、花は筒状で花びらを広げることは無い。美しさに溜息するような感銘を受けることが少ない花だと思う。やはり名前に惹かれる。遠い国の偉人さんなのだろう。

・・・コマクサ・・・・
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八ヶ岳だけの白いコマクサ
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コマクサとウルップソウは、砂礫の地に間隔をとりながら共生。ウルップソウが咲き終わるとコマクサが咲く。コマクサは我が母校の校章だった。あの頃、山は憧れで終わり関わることが出来なかった。コマクサは遠い存在だった。今やっと近くで逢える。厳しさに耐え抜いて自らを成長させ、開花する。夢と希望を託す高嶺にその美しさを奏でる。


滑り落ちそうなに崖に「チョウノスケソウ、オヤマノエンドウ、イワヒゲ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマなど等・・・」数々の花々が競うように根を下ろしている。
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大同心上部にクライマーが取り付いている。最後の核心部で苦戦しているらしい。去年まではクライミングをかじっていた私。やめようと考えて、花のトレックに転向したものの、やはり登攀したくなる。 しばらくかかっていたがアブミを使って登りきった。いいなあ~  また始めようかなあ。IMG_0306.JPG
花とクライマー
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イワウメ
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チョウノスケソウ
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ミヤマキンバイ
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オヤマノエンドウ
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ツクモグサ
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硫黄岳から夏沢峠を通って下る。硫黄岳の岸壁はいつみても大きい。オーレン小屋の強清水はうまかった!
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桜平には白山石楠花が待っていた。
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~~~出したばかりの芽、膨らませたつぼみ、咲き始めの初々しい花、枯れはじめた茶色い花びらを残す姿、枯れ果てながらも霜の花を咲かせる。どれもあなたの本当の美しさに輝いている。なのに、咲き誇っている花を人々は愛でる。それらに勇気付けられ、癒され心の故郷を見い出す。本当にほんとうにきれいだから。そして、つぼみや、枯れた花を見つけたときにも一番きれいだった時を思い起こし、姿を重ねて親しみを持ち、逢えたことを喜ぶ~~~~


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火打山~雲上の花園~ [山行09]

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火打山  2009・6・27~28  メンバー 5名  P(私) OIさん Tuさん Naちゃん Iさん

<6・27>
笹ヶ峰駐車場集合7:45 出発8:00 黒澤橋9:30 十二曲10:30 黒澤・妙高山分岐11:50
高谷池13:00 昼食 出発13:45 火打山山頂16:00 高谷池ヒュッテ18:00

<6・28>
朝食5:30 高谷池ヒュッテ出発6:30 黒澤ヒュッテ7:50 黒澤分岐9:10 黒沢橋11:30
笹ヶ峰駐車場12;30

今回のメンバーは後輩のOIさん、Tuさん、Naちゃんの三人と、OIさんの旦那様。後輩三人はここ何年間かウエストン祭にあわせて島々宿から徳本峠越えをやっていたと聞いている。そして、今年春、たまたまNaちゃんに行き会い山に誘ってもらうことになっていた。Naちゃんが連絡をしてきた。「火打山に登りたいとOIさんの希望だけど、OIさんは膝が悪いし、Tuさんはこの間の徳本越えの後調子が悪いから・・・どうしようか。Pちゃんいい山ないかなあ。」ということで、わたしが計画をたてることになってしまった。

何と言ってももう歳なんだからと、最初は栂池自然園で花を愛でるくらいの山行がいいのではないかと提案した。ところが、OIさんからの電話。「いつも眺めている妙高にずっと登りたいと思っていたの。」(OIさんは、飯山市在住)「一昨年は涸沢へ三人で登ったけど、去年は皆行けなくなってしまったので、一人で行ってきた。雪が真っ白だったおととしのことが忘れられない。雪があると楽に真っ直ぐ登れたの。」「膝なんて山を歩いていれば痛くない。痛くない。」「下りは雪が怖くて怖くて脚のことなんてほんとう忘れていたの。」「とにかく山に登りたいの。」「旦那さんも行くって言うし、娘もぜひ行きたいって今から楽しみしているんだよ。」「TuさんもNaちゃんも前に火打山に行ったでしょう?すっごくよかったって聞いているからぜひ火打山とか妙高とか、とに角山に登りたいの。」・・・・・・・立て板に水だった・・・・もうこれは、登るしかない。それなら今の季節は火打山がお勧め。40年ぶりの旧交を温める山行に火打山が選ばれた。

東部文化会館前に6:00到着。それらしき二人が立っている。TuさんとNaちゃん。山への準備はばっちり・・・目深にかぶっている帽子、ピンクのカッターシャツ、リュックを脇にストックを手にしている。・・・それにしても随分おばさんじゃないか。・・・・ということは、今向こうから見ているTuさんたちだって、わたしのことを「おばさんだあ」と思っているだろう・・・など一瞬、40年の歳月が見えた。

笹ヶ峰に着くとOIさん夫妻は一時間も前から待っていたと言う。さすが力を入れている。というか私のぐーたらサイクルとは違う。コンビニで時間調整などする必要はなかったのだとちょっと反省させられる。OIさんとは本当に40年ぶりだった。横に優しそうな旦那様がいるのが違うだけ、ちっとも変わってない。前述の二人には申し訳ないけどスマートさがおばさん臭さを払拭しているようだ。話をする間もなく準備をして出発をした。

「登りは二人とも弱いからお願いね。」とOIさん。実は私だってここのところ殆んどゆるゆるとやってばかりだ。「それなら任しといて」と出発。
登山道入り口の立派な山門をくぐり、細い橋を渡るとすぐ樹間の山道になった。黒澤橋まではゆるやかな登り。ウォームアップに嬉しいコース。先ず、ギンリョウソウに出逢う。茎を伸ばし、何株も咲いていた。
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『飯山の自然』
ぶな林の下には根曲がり竹が密生している。筍やゼンマイなどの山菜採りの話題に花が咲くことしきり。OIさんは飯山でお父さん、お母さんに仕込まれ、今では山菜採りの名人らしい。家族にさえ秘密にしているという山菜が採れる場所へ、車で送ることを引き受けているうちに、場所も、採り方も自然に教え込まれてしまったという。OIさん曰く。「最初は、こんな物を食べるなんて・・・とか出かける姿は乞食かと思われるようなぼろをまとっている。そんな風にはなりたくない。と思っていたけど、今ではそれを飯山の素晴らしいもてなしになる物だと思っているの。」と続く・・・「ご馳走と言えばゼンマイや笹寿司、そうそう笹餅も美味しいの・・・」折々の年中行事やおもてなしには必ずこれらが出てくる。家によって少しずつ味の違いもあるのだそうだ。そして、それ以上に彼女は飯山の自然を慈しんでいる幸せを語ってくれた。お茶や短歌もたしなむ彼女は花に付いても随分造詣が深いようだ。毎年4月の緑の日にはTuさんやNaちゃんを招いてゼンマイ採りをする。雪融け後の山にはいち早くカタクリが群落を成すのだそうだ。何とも羨ましい。溜息をついて聞き入るばかりだ。まだ続く。何とアズマイチゲは裏山で見られると言うのだ。私は、戸隠の鏡池で一度しか会ったことが無い。一本の茎をすっと伸ばし、薄く広げる細い花びらをそっと広げる。その下では輪生した下向きの葉が花を支える。初めて逢ったときの感動は今でも忘れられない。憧れや高貴さを放つ花だ。飯山では裏山にそれが普通にあるという。雪国の森は豊かな自然をまだまだ保っているのだろう。・・・家の庭に咲く花、庭に訪れる小鳥の話など潤いあるOIさんの話は尽きない。・・・
    ~  ☆  ~  ☆  ~  ☆  ~
「ネマガリタケの花」 百年に一度だけ花を咲かせ、枯れていく
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女が三人寄れば何とかと言われるが、今日は揃いにそろっている。お喋りに、夢中になっている間に林間の木道を快適に歩き、あっという間に黒沢橋に着いた。清流が涼しい風を送ってくる。
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橋を渡ると「十二曲り」の急登。大きな石がごろごろしている。しばらくは谷川の音が涼しさを届けていた。高度を上げるにしたがい、山が明るくなり小さな花々が見られる。
「ズダヤクシュ」名前の由来を教わった。頭陀袋(修行の僧が経文、布施などを入れるため首にかける袋)の形に花の形が似ているからとのこと。実になりつつある方が似ているだろうか。
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花が終わったところ
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「ミヤマツボスミレ」  登りの暑さをふっと忘れさせる清純な花
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「老木」 「今年はどんなことがありましたか?」と聞いたら「いい季節になったねえ」と葉をゆらした。
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確かこの急登にはシラネアオイが咲いているはず。青い花びらが落ちていた。もう終わってしまったらしい。上にはシラネアオイの葉が茂っていた。
そうこうするうちに「十二曲り」の表示に着いた。急な登りは半分過ぎた。
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「ノウゴウイチゴ」 県北部、北アルプスにある。岐阜県能郷で発見されこの名がついた。シロバナノヘビイチゴとよく似ていたのでてっきりそう思っていたが、OIさんが山小屋のお兄さんにこの名前を聞いてくれたので分かった。これは、花びらが7枚。ヘビイチゴは5枚。
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『さんまを干す話』
話の合間にはウグイスやホトトギスやいろんな小鳥の囀りが気持ちよく聞こえる。Naちゃんの家では毎朝小鳥が来ては『♪♪ティッティリリ♪リリリ♪♪ティッティリリ♪リリリリ♪♪ティッティリリ♪♪♪♪♪』(ちょっとちがうかな?)とリズミカルに音楽を奏でるという。 ははは  さすがゆったりNaちゃん家に来る鳥。 庭が気持ち良くて思わず歌がリズミカルになるのかもしれない。Naちゃんは、いろんな野菜を作ったり、旦那様の仕事を手伝ったりしていると聞いた。食べ物を太陽に干すのが好きらしい。休んだとき、オレンジの皮の手作りお菓子を頂いた。これは、ちょっと煮てから干してざらめ砂糖をまぶしたそうだ。甘さ控えめ、香りもよくて元気溢れる絶品おやつ。・・・・なかなかやるじゃんと思いきや・・・・とんでもない。あるときさんまを干したのだそうだ。次の日何本か無くなっていたので旦那さんが食べたのだろうと思っていたら違った。犯人は小鳥だった。・・・・・・・だって秋刀魚なんて普通干すの?海辺で捕れたてのを干すんなら分かるけど~Naちゃん家は松本でしょう。さんまを干してる人なんて見たことも聞いたことも無いよ~~~~あ~~~創造力たくましいNaちゃんだからね・・・・てんぷらは旦那さんにお任せ。持ってきたおいし~い梅干も旦那さんの作品。幸せな人生なんだな。  そうそうもうひとつあった。野菜を切って干したものでカレーを作ると甘みが増して美味しくなるそうだ。干し野菜は何と言っても南瓜とのこと。分かる分かるやってみよう。
         ~  ☆  ~  ☆  ~  ☆  ~
「ムラサキヤシオ」 散り際。 丸い花びらが大好き。しっとり落ち着いたピンク。おしべが二本下に長く伸び、すくい上げるように上を向く、お洒落な花。
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<9分の4km>
もう12時近い。とそこに「9分の4km」の表示があった。始めはこの意味が分からなかったけれど、歩いて考えているうちにだんだん分かってきた。笹ヶ峰から火打山山頂まで9kmあって、そのうちの4km来ましたという標識だ。よく考えて作ったものです。これは利用価値が大きい。ペース配分などのいい目安になりそう。私たちは一時間に約1kmの速さで登ってきたことになる。ゆっくりだが急登を考慮していいペース。
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ここでTuさんが問題を提示。「高谷池は9分のいくつになるでしょう?」・・・「5?」「6?」・・・Tuさんは、きっぱり「9分の6でしょう。」と断定。後で山頂を目指すとき天狗の庭には9分の6が立っていた。お見事!
そして、黒沢池への分岐に出た。急登はこれで終わり。
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ゆるやかな山道を少し歩くと火打山の展望が開ける。いつ見てもなだらかな山容と残雪が美しい。
「右から火打山・裏火打・焼山・その向こうには金山」
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『花エリアその1・高谷池・天狗の庭』
「サンカヨウ」 大きい緑のお皿に小さな白い花がいっぱい盛られる。
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「オオバミゾホウズキ」 変な話だが、火打ちの印象が強く残っている花の一つ。以前登ったとき、小屋のトイレを借りた。古くて入り口の戸には隙間があって、床もきしんでいた。まあそんなことは以前の山なら当たり前。違ったのは、しゃがんだ目の前にきれいな花の写真が貼ってあったこと。それが「オオバミゾホウズキ」。山はなかなかトイレに行けない。我慢していてやっとほっとしたそこにあったから、じっくり眺めてしまった。ヒュッテで働く方の花に寄せる想いが伝わってきた。火打山ベスト3と言えば、「キヌガサソウ」「サンカヨウ」「ハクサンコザクラ」それに次ぐのが「オオバミゾホウズキ」・・・ほうずきという名前に惹かれる。別名「サワホウズキ」 
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「キヌガサソウ」 木の間に隠れるように佇み、登山者を小屋に案内する。
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「紅花苺」 漢字で書きたい。深紅の紅は山中にあって目を奪われる。
紅花苺 花.JPG

プロローグを経て高谷池ヒュッテに到着。
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昼をヒュッテ前のベンチでとり、小屋に到着を伝え、山頂目指して出発。午後1時半を過ぎた。
一歩小屋を離れるとそこは池塘。湿原が広がる。
「ミズバショウ」 
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雪融けの池塘にいち早く清楚な姿を見せる。
ミズバショウ 花.JPG
「キヌガサソウ」 芽を出したばかりの株を見ながら池の周囲を進むと花をつけた群落があった。
キヌガサソウ 群落.JPG
火打山のキヌガサソウは大きな群落を成し、個体も実によく育っている。
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雪の上に立つとす~と涼しい風に包まれる。
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「ハクサンコザクラ」咲き始めたばかり。近くにある一輪を写した。
以前に来た時のここ(天狗の庭入り口右手)はピンクの絨毯が敷き詰められていた。
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「火打山・天狗の庭にて」
天狗の庭より4.jpg
「コミネザクラ」 淡い紅色で優しい花。ほんのり甘い香りがする。
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コミネザクラ.JPG

登り始めるまでしばらく湿原を歩いた。
池塘の手前、そして向こう側遠くににもハクサンコザクラが群生している。
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「イワイチョウ」葉が厚くしっかりしていて濃い緑。
「ハクサンコザクラ」のピンクが緑に囲まれ、生き生きとして見える。
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『花エリアその2・火打山』
登りに入ると見られる花も変わる。
「コキンバイ」
コキンバイ.JPG
コキンバイ花2.JPG
「ベニバナイチヤクソウ」 Naちゃんが付けた別名「アカダマポートワイン」
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「オオバユキザサ」
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「ナナカマド」 真っ白い花がきれい。沢山ある。秋には真っ赤に山を彩るだろう。
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「カラマツソウ」
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「クロトウヒレン」
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「クルマユリ」
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「ミヤマタンポポ」
たんぽぽ.JPG
「ミヤマオトコヨモギ」
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きつい登山道を登る。時々眺望が開かれ湿原を振り返って一休み。涼しい風が気持ちよい。
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拡大すると下の湿原を歩いている人が見える。

「サンカヨウ咲く登山道」
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厳しい登りを耐えると平らな尾根筋になり元気回復。登る力が沸いてくる。
あとひと登り。9分の8の標識が嬉しい。
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「イワカガミ」 太陽と寒さに育まれ鮮やかな色
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実は、ここを登り始めてすぐIさんが太腿に痙攣を起してしまった。私は今まで、あまり経験が無い。どうすればよいか分からないでいると、Tuさんが「薬}を出した。よく効いて、一日3回まで飲んでも大丈夫なのだそうだ。それを飲み、太腿をしばる。二人はゆくり行くというので、一足先を登っていた。
そして、平らになっているここで大休止をとっていると二人が追いついた。薬が効いて15分ほどですうっと痛みが退いたとのこと。
『世界に羽ばたくランナーTuさん』
Tuさんはここ数年マラソンにはまっている。ニューヨークマラソン(?)を皮切りに国内は勿論のことロンドンやパリなど世界各地のマラソン大会に挑戦を続けている。「どうしてそんなに走れるの?100Mも走ったらもう苦しくなるじゃない。」と聞くと「それが、やれば出来るんだよ。10kmやって、やった~出来た。次に20kmそして42.195km走れちゃうんだよね。」「Pちゃんなら痩せてるから出来るよ。やってみ!」「練習はどれ位?」「火、水と土日。その日によって違うけど約2時間10km程度。」「こんなおばさんが走っていると目立つし恥ずかしいから、家の近くの山道を廻ってる。半分でちょうど40分。調子の悪いときはそこでやめるけど、普段は、その反対コースを加えるの。」あ~すげえ。「で、どの位の速さで走るの?長野マラソンは30km地点で5時間で切られてたけど、5時間を切るって大変でしょう。」「5時間を切るのが目標!この間は4時間50分台で目標達成。1kmを約1分36秒で走ればいいんだよ。」そんなあ。「日本は交通事情もあって制限が厳しいところが多いけど、無制限なんてとこもあるよ。そうそう小布施の『小布施見にマラソン』は制限がすっごくゆるい。人気があって、7月にやるけどもう締め切ったでしょう。7000人参加だね。」諏訪湖マラソンに家の息子が今年出たいって言ってたけどそれは?「20キロとかから始めるといいよ。」いろいろあって歩く大会なんてのもあるらしい。マラソンは旦那様とやっている。二人で走って、世界各地を旅行するのも目的のうち。マラソンと言う目標が旅行をより充実させてくれるのがいいそうだ。ふんふん。私もいろいろやってきたけど、人間て何かに挑戦してやっていくと、何故か力がついてきて、少しずつ自分の身体や心が鍛えられステップアップする。幾つになっても進化するその手応えをTuさんと分かち合うことが出来た。話をしていれば、急な登りも楽勝。・・・そうそう痙攣の薬持参は長野マラソンでの下半身痙攣で大変な苦痛を味わったからだそうだ。Iさんはその後、頑張って頂上まで登ることが出来た。痙攣はどうしようもないので辛かったでしょうね。
    ~   ☆  ~  ☆  ~  ☆  ~

「ベニバナイチゴ」 OIさんはこの花の美しさに心酔  一番美しいときに逢うことが出来た。
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「頂上は目の前」登山道の延長線を行き、最後は雪渓になる。
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さっき見た登山道にたどり着くとそこはいちめんお花畑。
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「ミヤマキンポウゲと妙高山」  右から三田原山、妙高山、神奈山
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「黄色が鮮やか」
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最後の雪渓を登って山頂に着いた。360度の展望。お地蔵様に無事を祈って帰路をたどる。
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方向が変わって天狗の庭で再発見。こんなにハクサンコザクラが咲いていた。
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ヒュッテに泊まったのは初めて。HPには苦情が載せてあって、最低の小屋だと書いてあったが・・・
帰着が夕食の17:30を過ぎてしまったが気持ちよく対応して待ってくれた。布団は幅がひろくてゆったり。さっぱりと乾いて心地よかった。自炊場のガスはただで使える。お湯を沸かせば200円でコーヒー、緑茶、お抹茶まで頂くことが出来る。トイレは新しくてきれい。ペーパーは持ち帰りだがそれは当然。電気は太陽電池の小さな明かり。良く考えてる。私の家の庭に置いてあるのと同じだった。昼間は外して太陽充電、夜になるとセットしていた。労を惜しまない働き手ですね。夕食のカレーも朝食の中華丼もご飯が美味しいので食が進んだ。漬物と、デザートのパイナップル(缶詰)は食べ放題。・・・最高の小屋でした。何より働いているお兄さんが楽しそうで元気登山者のサポーターとしてプロです。

『花エリアその3・茶臼山』
茶臼山を越え、黒沢池に出る。可愛らしい花々が多い。
「ツマトリソウ」
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「ミツバオオレン」
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「マイズルソウ」
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「ハクサンチドリ」こんなきれいに咲いているのは初めて
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「オオシラビソ」
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下り始めると右手に「黒沢池」が姿をみせた。
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正面のコル下にはドーム型の黒沢池ヒュッテがある。ここは、7月1日からとのこと。
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『花エリアその4・黒沢池』
それはそれは素敵なお花畑の連続でした。
「ミズバショウ・黒沢岳」
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水に映る姿はなおさらのこと
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小さな川を作って水が流れ込む
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「イワイチョウ」
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「木道を包むチングルマ」
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今が一番美しい
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「ハクサンコザクラ」が足元に
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思わず「ありがとう」
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「チングルマ、ハクサンコザクラ、イワイチョウ」
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言葉では尽くせない素晴らしい湿原の花々でした。「さようなら。ありがとう」」
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「ノウゴウイチゴ」 登りでは重要視していなかったので、再度撮りなおし
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これで「サンカヨウ」ともお別れ
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「キヌガサソウ」がすぐそこに
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近くで見ると成熟したお姉さんの風格
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『クイズで元気』
下りはTuさんのクイズで頭を使った。「高谷池にあった花を五つ挙げなさい。」「火打にあって上高地には無い花を三つ挙げよ。」・・・・・・答えに苦難していると「じゃあヒント。 と が く し 」間髪おかずNaちゃんが答えた。「そば!」・・・・なんで「そば」がでてくるの?・・・・・笑い転げてしまう。花の名前をやってんの!
Iさんは、「トガクショウマ」って答えているのにね。「答えは水芭蕉でーす。」

調子よく下って行くと足元の枯れ葉がかさかさと音がする。何と!!長いなが~い蛇だ。びっくり仰天。私は悲鳴とともにひっくり返ってしまった。
それをネタに。「Pちゃんはびっくりして飛び上がり葉っぱの上に尻餅をつきました。さて、何cm飛び上がったでしょう。」「50センチ」「ブー。64センチです。はっぱ64」だってさ。やられちゃうなあ。

『得体の知れない火の玉』
十二曲りの標識がある場所で、男性2人が休んでいた。「4時ちょっと過ぎは何処にいました?」と変なことを聞かれた。「4時といえば小屋で寝ていましたね。」と答えると「俺らは、今朝登ってきてここより少し上で休んでいるとき、光る玉が尾を引いてすーと飛んで行くのを見たんだ。なあ。」「うん。赤いような青いようなので、木の上すれすれぐれえだったな。」「大倉山の方から下に来たんだ。」・・・「なんですか?」「分からない。二人で見たんだから確かだよ。」・・・・寒くなってきた
・・・・・・・一週間後Naちゃんの情報によると人工衛星がどうのこうのしたというニュースがあったという。・・・あ~一安心。それにしても、どうしたん?人工衛星の墜落?・・・・・・・・・・・・・・・

無事黒沢橋まで下りて来た。冷たい谷川の水で顔を洗う。
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『ありがとう』
あとひとふんばり。と腰を上げるとOIさん夫妻は「ちょっと先に行って休んでいるね。」と先を行った。後で気づいたんだけどそれは、私のために筍を採ってくれていたのです。疲れも、膝への負担も最大限になっているというのに太くて美味しそうなのを頂いてしまった。そこまで気を使えない我が儘生活を反省。ほんとうに感謝感謝。
家に帰って、焼いたり、鯖缶の味噌汁にして家族みんなで味わいました。新鮮な筍の香りが爽やかで美味しかった。ありがとうございました。

「タニウツギ」下り立ったそこにはタニウツギが華やかに咲いていた。飯山地方では「よめごろし」とも言うそうだ。来たばかりの嫁は、この花がきれいだきれいだと眺め、そのうちそこに黒い実が生る。お腹を空かせている嫁はその実が美味しそうなのでつい食べてしまう。その実には毒があることを知らずに。そこで、こんな名前がついたという。IMG_0548.JPG

40年ぶりの友は皆それぞれ素敵な年輪を重ねていた。素敵な花。大きな山。素晴らしかった。
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浅草岳~姫小百合~ [山行09]

09-6-20 浅草岳 メンバー2名 T・H   A・K
8:00 ネズモチ平駐車場 9:00桜曽根広場 嘉平与ボッチ12:00 浅草岳山頂13:30
下山開始14:30  嘉平与ボッチ15:10 桜曽根広場17:00 ネズモチ平駐車場18:00
(行程時間は随分かかっているので普通の参考にはならない。)
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ネズモチ平駐車場にはすでに40台ほど車があった。80台以上は駐車できる広いP。小ぎれいな小屋には気持ちよいトイレもあってありがたい。ここから5分で橅曽根コース、40分で桜曽根コースの登山道がある。「曽根」という語はあまり聞いたことが無い。どんな所に使うのかを調べた。『日本の人名または地名。地名には広域地名も含む。「ソネ」の由来は、河川氾濫があった場所、またその結果自然堤防が形成された場所など』とのこと。すると、ここは、鉄砲水や雪崩の起き易いきけんな場所または、堤防のような尾根ということになる。

今回は、桜曽根コース(ファミリーコース)を登った。桜曽根登山道入り口まで林道を行く。
頭上にはタニウツギ、オオカメノキなどが咲き、道沿いには小さな花々が競って咲いていた。
花びらをのびのびと広げているミヤマカタバミ
小さいが目を奪われる鮮やかな黄色のヘビイチゴ
黒い小さな花を三枚の葉の真ん中に咲かせるエンレイソウ
しなやかに葉や茎を伸ばすオオバキスミレ
小さな釣鐘状の花を一本の茎に並んで付け葉はもみじの形をしているズダヤクシュ
五枚の葉は立派に大きくなって矢車を作り蕾をつけ始めたヤグルマソウ
花は白色、上弁が後方に反り返り、唇弁に紫条があるウスバスミレ
雪どけの水が溢れている所にはタネツケバナ・・・・・・・・・・・・・・
印象に残った花は
「ホウチャクソウ」・・上部で枝分かれする。花は白色で先端に緑色がぼかしで入る。ちょっと気取っていい感じ。
ホウチャクソウ.JPG
「サンカヨウ」・・雪どけの頃にはぜひ逢いたい。道うえの湿り気ある斜面に二株あった。
サンカヨウ.JPG
「ミヤマフイリスミレ」・・・葉に白い筋がくっきりと付き、色は深い緑。ウスバスミレとともに亜高山帯に見られる。
すみれ.JPG

写真を撮りながら1時間をかけて登山道入り口に到着。
桜曽根広場・登山道入り口.JPG
ブナの林に入る。登山道には、山土がそのまま残り、落ち葉を踏みしめて歩くことが出来る。ぶなの力だろうか、それとも入山者が少ないからなのか、もしくは、山自体が土に覆われているからなのか、荒れていない。
太いぶなが何本もある。中にはこんなに、にょきにょきと曲がっているものも。若々しさを湛えている。
ぶな.JPG
若いぶな林は木肌の白さが美しい。雪によって洗われ白くなると言う。
ぶなの道.JPG

樹林の中ではマイズルソウやチゴユリ、イワカガミ、ギンリョウソウ、ムラサキヤシオツツジが咲き、ウグイスやホトトギス・・・のさえずりが森の風に乗って心地よく届いた。

「ツクバネソウ」  秋になると黒い実を茎の先にひとつつける。その姿が羽根つきの羽根に似ているところからこの名がついた。花もよく見ると羽根のような姿をしている。目立たないがいい名をもらったと思う。
ツクバネソウ.JPG
「オオバユキザサ」 花の白さから「雪」を葉の形は「笹」に似ているからユキザサと名付けられた。志賀高原熊の湯で天ぷらにしていただいたことがある。
ユキザサ.JPG

高度を上げ尾根すじに出るとウラジオヨウラクの向こうに、鬼面山の残雪が映し出された。
ウラジロヨウラク.JPG
尾根筋は日当たりが少しよくなる。アカモノ、ゴゼンタチバナ、ミツバオオレン、マイズルソウ、イワカガミなど生き生きと群生している。「元気!元気!」
マイズルソウ・イワカガミ元気元気.JPG
わ~~~・・・・・・「シラネアオイ!」 藪の中で隠れるように、だけど青々とした葉を茂らせている。花は絹のような薄紫。横に向いてうつむいている。
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嘉平与ボッチに到着  稜線の向こうが浅草岳。
嘉平与ボッチ.JPG
「ウラジロヨウラク」 まだ硬い蕾を守るかのように白い毛が覆っている。透き通るような葉がきれい。
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「ベニサラサドウダン」 紅色が深く、なぜか懐かしい色合い。たわわにつけた花が重そう。
ベニサラサドウダン.JPG

嘉平与ボッチから少し下った所に姫小百合のつぼみがあると、3日前、浅草岳山荘のHPに載っていた。

ありました。登山道すぐ横に数本。膨らみかけたつぼみと開花したばかりの姫小百合。
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姫小百合1.JPG
淡いピンクで可憐  優しくか細くたよりない  山里離れた山稜で凛と咲き誇る
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下はまだまだ厚い雪渓が残っている。
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雪渓の向こうに目をやると、斜面の上から中腹までシラネアオイで覆われている。見事な群生。
雪渓の向こうは斜面全体にシラネアオイが群生.JPG
群落
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そして「カタクリ」
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すぐ近くにも「シラネアオイ」
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姫小百合とシラネアオイを楽しみ満足して山頂をめざすと大きな雪渓が現れた。
大きな雪渓を登って.JPG
山頂手前の木道には十数人の登山者がそれぞれのグループになって昼食をとっていた。焼肉のいい匂いをさせ、ビールに喉を鳴らしている。腹の虫を抑えて通り過ぎた。・・・・は~焼き肉食べたい。
山頂には祠や標識などがあったがやや狭く休める場所は無い。あっけない山頂だった。
姫小百合はこの先にもあるので素通りして、静かな場所で休む。
おにぎりをほおばって、人心地つくと何と目の前に「姫小百合」そして只見湖が広がっている。
この百合が咲いたら絶景になる。
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周りにも様々な表情をみせる姫小百合がたたずむ。
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帰路は残雪の雪形を眺め何に見えるか想像を膨らませ、ぶなの林を楽しんで下った。
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「コバイケイソウ」
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浅草岳下山
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宿は浅草山荘。温泉に浸かり、山菜づくしの夕食でゆったり過ごした。『国民宿舎は古い』というイメージを一新。新しくて、清潔、温泉付き、様々なエコ学習施設が整っている。若い働き手ががんばっている。快適な宿だった。



タグ:姫小百合

小熊山トレッキングコース②~組曲 森~ [山行09]

小熊山登山道入り口は、サテライト局入り口から2分くらい先にあった。車から一目瞭然。案内板と右斜面に入る階段が正面に出てきた。あんな所でまごまごしていたのが馬鹿らしい。
取り付き.jpg
『安曇野展望台・小熊山山頂1302Mまで30分。ながめがよい。急な坂道あり。
山頂から「北アルプス展望台」~林道に下るまで20分。』    と書いてある。楽なコースだ。

11:00出発
ツツジが咲き、低木や草などが生い茂っている明るい山の斜面を登り始めた。
「ノギラン」 花にのぎ(稲や麦の殻にある針状の毛)があるように見えるので名づけられた。
①.JPGノギラン?
ニガナ・シロバナニガナ・名前が分からないなどが少し咲いている。②.JPG
食べごろの蕨。6月では遅いが我が家では初物の収穫。
⑤ワラビ.JPG
ツツジが目を楽しませてくれる。
⑥ツツジ.JPG
柔らかく薄いオレンジ色で大きな花びらを持っている。蓮華つつじだろうか。
⑦ツツジ.JPG
登りきると雑木林に入る。
⑧雑木林.JPG
ギンリョウソウ  
⑩ギンリョウソウ.JPG
サラサドウダンツツジ  
たった二輪の花が精一杯春を謳歌する。
置かれた環境をそのまま受け入れる強かさと可憐さが好き。
⑪サラサドウダン.JPG
イワカガミ やっと巡り会った。
⑫イワカガミ.JPG


もう30分は歩いている。そろそろ山頂に着くころだ。次の斜面を越えたら頂上だろうかと登りきる・・・と、まだですね。では、あの上かな?と登ったが。。。まだ上がありそう。そんなことを4、5回繰り返しただろうか、やっと到着。「安曇野展望台」と「小熊山山頂」 展望台と山頂は僅か5Mしか離れていない。同地点と言ってよいだろ。
小熊山山頂12:00着   10分休憩
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⑬小熊山へ.JPG
周囲が木々にかこまれているので、展望台とはいってもほとんど何も展望は出来ない。
山に入った時から鳴いていた春蝉がいっそう激しく近くでがなり立てていた。

それにしても? 30分の行程だったはずなのに1時間もかかっている。途中長く休んだわけでも、蕨採りに夢中になっていた訳でもない。ごく普通の速さのはずなのに変だ。

ここで、分岐になっている。さてどっちに行ったものやら。看板は外れて下に落ちているので見当がつかない。小熊山の黄色い標識に書いてある消えかかったペンキの文字を解読する。
左は・・・・・・・・・・・・・・・・・○○湖・・・かな?・・・木崎湖だ!
右は・・・・・・・・・・・・・・・・・・真ん中に・・・ヶ・・土?・・・・・・・猿ヶ城だ!
分かった。さながら宝探しだね。
左方向は多分林道に出る。右方向は猿ヶ城方面で、木崎湖が見えるからそれに沿った尾根の山道になる。これらを見極め右に進路をとって出発。下調べ無し、地図無しなので頼りにするのは看板とパンフレットだけ。一番の頼りは見える景色だ。

樹林には白樺が混じり始める。
のびやかにしなりを描いて伸びる木々、肌の色、森の芽吹きが織りなすハーモニーに思わず歩をゆるめる。さながら森は今「春」を奏でているオーケストラのよう。
⑮樹林.JPG
柔らかい絨毯の中から芽を吹き、
フルートの音色やヴァイオリンの調べのように美しい響きを添える花々。
「稚児百合」
⑰初々しさ.JPG
雪笹
⑯ユキザサ.JPG
銀蘭
銀蘭JPG

23せみの抜け殻.JPG
森を歩く
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森の空気を全身にまとう時間を過ごすと展望が開けた。ツーリングの人たち数人が休んでいた。
木崎湖展望台13:40着
ハングライダーが飛び立つ場所だと後でタクシーの運転手さんから聞いた。
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「トキワハゼ」が群生。
トキワハゼJPG
ここを過ぎるとまた林間に入る。やや乾燥し、植物も今までとは変化する。

「ツマトリソウ」
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職場の若い男性と登山したとき、ツマトリソウとゴゼンタチバナは似ているけれど、どっちが好きかと聞くと「僕はツマトリソウです。」と即答。普段「どっちでもいいです。」と言っている彼がこれに限ってきっぱりと答えたので驚いたが、実はそれから半年くらいで結婚をした。ツマトリソウをを見る度に結婚を控えた彼の嬉しそうな顔を思い出す。

「舞鶴草」
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いろいろ楽しんでいたら
Iさんが急に後ろを向いて「あのう・・・・」 「車の鍵を置いてきてしまった。」と言う。
え~登山口までどうやってもどるの?
鹿島槍スキー場だってあんな山の中なんだし。牛しかいなかったよ。
引き返すか、下りてタクシーで廻るか。どっちかだ。
現在時刻14:30引き返すには林道を歩いても最低1.5時間はかかるだろう。それは無理。
歩を速めながら先へと歩いていくうちに、アルプス展望台に到着。
アルプス展望台14:50着
幸い、ここにはしっかりと立っている道標に簡易地図が書かれていた。地図とあわせて黒沢高原方面を望むと一旦下ってまた登り返すようだ。もうひとつ海の口への道がある。この山を下ればここから見える木崎湖湖畔の海の口に着くのだ。烽火台・風穴・猿ヶ城を経ている。人家の近くに下りたほうが都合がよいのでこちらを選んだ。

烽火台 15:10到着27烽火台.JPG
戦国時代仁科氏の山城だ。  
大休憩をとっていよいよ下る。 直下は急勾配でロープが張ってあった。
28海ノ口へ下る.JPG

猿ヶ城跡 15:40着29猿ヶ城跡.JPG
猿ヶ城が機能していた頃この木はあったのだろうか。
30ウロ.JPG
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鹿の水浴び跡発見
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足跡が付いていた。
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中腹から登山道は無くなり、代わって荒れ放題の林道になった。
道端に咲く小さな花々を愛でながら歩いた。
「キラン」
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「ラショウモンカズラ」 
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「ヒトリシズカ」 こんなに大きいの
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「ガマズミ」 
昨日の新聞に季節の花で載っていた。秋、霜がおりると実が食べられるようになる。
37ガマズミ?.JPG
「ダイコンソウ」 
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人家近くまで下ると軽トラックが登ってきて止まった。夫婦で畑仕事に来たらしい。「鹿島の方から越えてきたのですか?」と聞かれた。小熊山からだと話すと「まあ。よ~く歩いたねえ~。」と感心していた。
庭に出ていたおばさんにここは何と言う所か訪ねるとやはり海の口だった。そしてそのおばさんも、小熊山を廻ったと聞いて驚いた様子。「よ~くたくさん歩いたねえ。」と褒めてもらっちゃった。

海の口集落、そこには道祖神と並んで猿ヶ城跡入り口の道標があった。
猿ヶ城登山口.JPG

海の口 17;00下山

11:00出発から6時間の行程だった。よく歩いた。雑木林を思う存分満喫できた。
心地よい疲れが足に残っている。

[曇り]  後   [晴れ]   ゆーぷる木崎湖温泉でゆっくり汗を流した。
2009-6-6

☆追記☆
看板やパンフレットは随分間違っていることが歩いて分かった。行程時間そして通過場所も違っている。
こんなパンフレットを町で出すのは如何なものでしょう。また、コース案内板は春になったら一度は点検することも大切。方角を間違ったらそれこそ危険に足を踏み込むことになる。トレッキングコースと言えば、山歩きに慣れていない人だって入ることが多い。観光長野のイメージをもっともっと細部まで手を入れ充実させていきたいものだ。














タグ:雑木林

小熊山トレッキングコース①~落とし文~ [山行09]

爺ヶ岳撤退。大町周辺の山に登ることを決めた。山の情報を得るために急遽大町駅へ行く。パンフレットを見ると木崎湖から鹿島槍スキー場までのトレッキングが目にとまった。

小熊山トレッキングタイム

車が二台あったので、一台を鹿島槍黒沢高原(冬はスキー場だが、乳牛がのんびりと草を食んでいる牧場である)にデポ。木崎湖キャンプ場から小熊山登山口までの林道は車で上がることにした。数分上がるとこんな表示が左に大きくユーターンするわき道のあるところ見えた。

IMG_0612.JPG

下の写真のような具合だ。しかも、その数メートル先には車進入禁止の標識もある。ということは、ここが小熊山登山道入り口になる。いよいよ歩き始めた。10:00

違っていた標識.JPG

舗装されていない林道の落ち葉を踏みしめ、爽やかな緑の風を頬に感じながら気持ちよく歩いた。

サテライト局への林道.JPG

クヌギなど広葉樹林帯になっている。スイカズラ科のぐみがあった。多くはピンク系だが、白く筒型の

花をつけている。ぐみは卵形で赤くなり甘酸っぱい。花びらの中が高貴で美しい。

スイカズラ科 ぐみ.JPG

落ち葉の上に緑の巻物が落ちていた。

落とし文JPG

とても器用で粘り強い丁寧な仕事をする虫の話を読んだことがある。

leaf-cut weevil   落とし文  和名 オトシブミ (ナミオトシブミ)

ゆりかごの形が巻紙の手紙に似ていることから「ホトトギスの落し文」などといわれ、それが転じて虫の

名になった。オトシブミ類は新緑のころ盛んに葉を巻く。若葉の上に飛来した雌は主葉脈や葉縁を歩きなが

ら葉の大きさを測り、先から一定の距離のところに切り目を入れる。切られた葉はだらりとぶら下がり、やがて

しおれてくるが、雌はこの葉を二つに折り畳んで先から巻き上げる。2回転ほど巻いたころ、これに穴をあけて

卵を産み込む。口と脚(あし)を巧みに使いながら円筒状の「ゆりかご」を完成させる。幼虫は内部に巻かれ

た葉を食べて成長し、その中で蛹(さなぎ)になる。   (Yahoo百科出展)

そう思い出した。題名は「虫のゆりかご」だった。

            

                 

ところが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

歩いていて何か変。左側に木崎湖が見えている。方向が反対だ。それにここからは下りになってしまう。引き

返し、再度登山口をみつけることにした。

               

             

                

下って標識を確かめると、杭が腐って立てかけてあるだけ。誰かが向きをちょっと右に動かしていたのです。

辺りを見回すともうひとつ看板が裏返って落ちている。そこには、何と「←サテライト局」あった。私達が歩

いていたのはサテライトのアンテナを目指していたのだ。ははは・・・・・・

                      

          

おかげでオトシブミに会うことが出来た。間違いなどほんとに気にならなかった。車が入る里山の気楽さかな?

 

 


爺ヶ岳登山口 [山行09]

約束の時間に柏原新道登山口に到着。車が一台留まって中でIさんが寝転んでいた。起すとさも眠そうなぼんやりした顔を出した。5時にはここへ着いたらしい。「今日は関東は雨らしくてよくないね。」と言う。昨日の予報では曇りだったので「まあ、今降ってないし大丈夫でしょう。」と登る方向に返事をした。

準備をして登山口へ。登山届けをポストに入れ出発。最初から急登が始まるが、石が敷き詰められ平らになっていて歩きやすい。ここはこんなによかったのかなあ。十年ほど前はもっとごろごろしてたような気がすると思いながら約20分ほど登る。と、早くも「休もう」とIさんが言う。普段最低30分は最初歩くことにしているので変だなと思いながらも、荷物を降ろして休む。まだ、50Mくらいしか登ってないだろうか。休憩してそろそろ出発の準備をしようとしたら、Iさんが「今日は不調」だと言いだし、結局今日はやめて急遽大町近辺の山に登ることになった。

1800M付近からはガスがまいている。きっと登っても眺望は望めない。それに、雪の上を歩くのに万全な体調でなければ危険が伴う。またの機会に譲ることとした。

爺ヶ岳.jpg

風格ある登山口の案内板、爺の名に相応しい。黄色い看板には、まだ雪が多く危険な場所があること、今日6月6日から種池山荘が開くことなどが書かれていた。

大木.JPG休憩場所で仰いだ大木

登山道1.JPG高さ50Mくらいは登っただろうか。

登山道2.JPG登山道はぐいぐいと引っ張り上げてくれそう

帰ってからこれらの写真を見て、力強い木々の姿に驚いた。低山では決して会うことの無い生命力があふれている。

一歩一歩登っていけば、雪の世界へ 高山の別世界へと繋がる。この時期にこの山は魅力的だ。


平尾山遠足 [山行09]

5月1日 小学校の児童に付き添い平尾山全校遠足に参加した。
これから登る秋葉山・白山・平尾富士を望む校庭ではじめの会 清々しい青空に太陽が眩しい
秋葉山・白山・平尾山の尾根を望み
15世紀中頃現在の平根小学校敷地辺りに白岩城が平尾良信によって築かれた。(平尾氏の住んだ館(やかた)
その後、白岩城より標高差205.1Mある現在の秋葉山に平尾城(物見の城)が築城された。
北東の尾根づたいに白山・平尾富士と続いて物見の城となっている。
今日は学年に応じたコースで遠足を楽しむ。
秋葉山登山口からは下の道を歩く低学年がよく見えた。
登山道入り口から

急な山道を20分ほどで秋葉山山頂
秋葉山山頂
一昨年から4年生が中心になってここを整備
覆われていた笹が綺麗に刈りとられ手作りの看板が立っている。
石の祠(ほこら)は「火産霊神」   祠の向こう側は1.5Mほどの急ながけになっており堀切がはっきり残っている
笹舟
休憩中に児童が作った笹舟
パラダスキー場中間地点
山頂からわずか下るとスキー場パラダの中間地点に出る。高速道路からスマートインターチェンジで降りると、冬はスキーやキッズのそり滑り、夏はカブトムシ館やスライダー、平尾山トレッキングを楽しむことが出来る。
今日もリフトが動いていた。 
山桜がピンク色をすこし残し芽吹きに色を代えつつある。ここからが佐久市民の森平尾山のトレッキングコースになる。
案内図.JPG

竜神池から「水辺の小路」を登る。
竜神池から
芽吹き始めた明るい木立の中を進む
木立の中を
小さな沢にはニリンソウが花をつけ始めていた。
ニリンソウ
しばらく登ると、スキー場のトップに着いた。コースからの出口には鳥居がある。
スキー場頂上
後ひと頑張りで山頂  やっと着いた
平尾山山頂
ここから北は、御代田から軽井沢まで南は佐久市から南佐久まで全て展望でき、
物見の城として見事役目を果たすことが出来る。
浅間山の展望もよい。
山頂からは佐久平が一望できる
山頂を後に白山へ 平尾山は1150M シラカバが自生し始める高さだ
白樺
スキー場山頂で昼食が済むとさっそく斜面で草滑りを楽しむ元気な子どもたち
草滑り
白山はここから北側へ入る。入り口にはやはり鳥居があって5分で往復。
フデリンドウ
登ったコースをもどり、サクラソウやチュウリップの花畑になっているスキー場を下って全校が集合。
スキー場は花畑
集団下校の班になって今日の遠足が終わる。


高学年が一年生の手をひいて仲良く家路についた
家路

平尾山はトレッキングコースになっているが、秋葉山は落ち葉に埋もれた山道があるのみで歩きにくい。また、山城なので急な崖のようになった堀切もある。そんなハードな歩きにも関わらず、どの子も上手く乗り越えて歩くことが出来た。2年生以上は全員が平尾山山頂に立った。

自然の息吹を全身に注がれた一日になった。



















タグ:平尾山
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鍋倉山 ~ぶなの新緑とタケノコ汁~ [山行09]

09-5-24  飯山市庁舎7:00 巨木の森登山道入り口8:00森太郎9:00鍋倉山頂10:00
         関田峠11:10登山道入り口12:30
ぶな林を歩く.JPG
 飯山合庁が集合場所だ。「飯山合庁」なんて名前は、ナビにもネットにも無い。正式名称は何と言うのか分からない。とりあえず北信合庁を目指す。生活エリアの違う私は、北信合庁が地域では「飯山合庁」と呼ばれているのだろうと勝手に推測していた。着いて見ると、駐車場は閉鎖され、それらしき人影も見当たらない。近くの畑でアスパラを収穫していたおじさんに教えてもらいようやく「飯山市庁舎」(これが正式名)にたどり着いた。

 リーダーの車で出発。
田茂木池を通り過ぎ大きくカーブを上がった辺りに登山道入り口があった。
雑木林に囲まれているし、標識も無いので注意していないと見過ごす。
目印は、その30M先にある駐車スペースになる。
つばき.JPG
 登り口に椿が一輪、寒冷地に住む私にとって嬉しい歓迎だ。
そしてまた、やぶこぎをしなくていい登山道があった。
山スキーで来ると
田茂木池からダイレクトに鍋倉山頂から伸びている尾根を登ってしまうし
・・・・・芽吹きの時期、森太郎を探すのに、森の中をさ迷い歩いてやぶこぎをしていたら出会えた・・・
                  と言う記事しか見ていなかったので
やぶこぎをするのかと思っていたから、登山道があることに、またまた嬉しくなって登り始めた。


 少し登ると、右斜面のトラバースとなる。
雪で押し曲げられた大小の木々が登山道を横切って塞いでいる。
それらをまたいで歩くことしきり。
「巨木の谷へ」の標識で分岐を下に降りるとそこに森姫が立っていた。
森姫1.JPG
最近では、多くの人が入るので、根元を踏まれ、弱ってきていると言う。
その通り。
幹には黒い苔が着き、白い小さなキノコがあちこちに生えている。
見上げると真っ直ぐ立った先は、すでに枯れ、先端は折れてしまったのか尖った先を空に向けている。
わずか生き残っている枝から若葉を細々と出していた。
森姫.JPG
しかし、まだまだ生命力は失っていない。
上に伸びられなくなる前に横に出した枝が、若々しくみずみずしい肌と新緑をいっぱいにつけている。

今、日本各地では、老木を保護するために様々な処置や活動
(木を囲む。台を付けて根を踏まないようにする。木の医者が処方を下して、包帯を巻いたり、添え木をしたり、土を入れ換えたりなど等)
が行われているが、ここではそれをあまりしていない。
ただ、細い木に荒縄を巻いて踏み込まないように、周囲を囲んでいた残骸がみられた。
大自然の摂理を大切にしながら、人間の手から木を守ろうとする気持ちが
朽ちて垂れ下がっている荒縄から伝わってきた。

 登り返して1.5キロほど進むとちょうど谷の真ん中辺りに森太郎があった。
森太郎根元.JPG
根元からりゅうりゅうとしたうねりを作りながら何重にもこぶを作りぐいぐいと真っ直ぐに上に伸びている。
雪の重みに曲げられるたびに起き上がり、こぶを作っては上に上がっていったのだろうか。
こんな急斜面にあるにも関わらず、まっすぐ空に向かって突っ立っている。

その先の空を仰いだ。青々と両手を堂々と広げたように青葉を豊かに茂らせている。
力強い三百歳だ。
今まだ青春。
思い切り水を吸い、太陽を浴び、風雪に耐え、そそり立って私たちを見下ろしていた。
レンズが曇っていたためにうまく伝えられないのが残念。
森太郎.JPG

 いよいよ鍋倉への登りになる・・と思いきや
今度は左斜面のトラバースが続いた。
所々小さな沢筋には残雪が出てくるようになり
滑らないよう慎重に、そして、横倒しの大木にコンパスの短い足をまたがらせながら歩く。

左3m上は尾根で、あそこを歩けばよさそうなのにと話したのだが
何故か登山道は下の斜面をずっとトラバースしていた。

 その先、小さな谷の雪渓を渡って、ぬかるんだ階段を上がるともうそこは、鍋倉山頂だった。

 山頂から関田峠までは、ふわふわで快適な登山道だ。爽やかな風を感じながら下山。
ぶな林
途中、笹があるところでは目を凝らして根曲がり竹を探すが、細いものばかり。
これでは皮しかなくて食べられるところは無いとのこと。
山菜取り名人らしいリーダーはやぶに分け入っては探していたが、
手にしたビニール袋は一向にふくらまない。
関田峠からは、林道脇を物色しながら一時間半歩いてようやく三人分位が採れた。
初々しい緑のタケノコ.JPG
 昼は森の家の木陰でほかほかのタケノコ汁になった。ふつふつ沸き立つお湯に浮かぶ黄緑色の初々しいネマガリダケがとっても綺麗だった。しゃきしゃきの歯ざわりと爽やかな味わいのタケノコ、それに対比するかのようなサバ缶と味噌の何とも洗練されないどろ臭さがおにぎりにぴったりだった。

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