裏銀座縦走 ブナ立尾根 [山行09]

・・・初めての領域。独りのんびりと巡った未知の山々。全てを自然に委ねた一週間。なだらかに豊かに広がる山なみ・・深い、深い山奥の花畑・・カールに残る残雪・・滾々と湧き出る泉・・一瞬のうちに変わる空・・どれもが私を呑み込んでいった。・・・

行程 
8月 6日 
ブナ立尾根~烏帽子小屋 ([晴れ]8時間)
8月 7日 
烏帽子岳往復(2時間) 烏帽子小屋~三ツ岳下~野口五郎小屋 ([曇り][雨][曇り]4時間30分)
8月 8日 
野口五郎小屋~野口五郎岳~真砂岳下・竹村新道分岐~東沢乗越~水晶小屋([曇り]5時間)
~水晶岳往復(3時間)
8月 9日 
水晶小屋~ワリモ分岐~割物岳~鷲羽岳~三俣山荘([曇り]4時間)
~黒部五郎岳途中まで往復(2時間30分)
8月10日 
三俣山荘~ 三俣蓮華岳巻道~双六小屋([雨]2時間30分)
8月11日 
双六小屋~樅沢岳~左俣岳~西鎌尾根~槍ヶ岳([晴れ]7時間)~槍沢~徳沢園([晴れ]5時間)
8月12日
徳沢園~上高地~新島々~大町駅前駐車場  

メンバー  烏帽子岳まで I&T あとは T単独


裏銀座縦走1日目 8/6 晴れ後にわか雨

              ~ ブ ナ 立 尾 根 ~

高瀬ダム1270M 烏帽子小屋1551M ブナ立尾根取付点から稜線まで標高差は1200Mになる。アルプス三大急登のひとつだ。
高瀬ダム堰堤からトンネル、そして不動沢の吊り橋、キャンプ場を過ぎ、濁り沢を渡った。右手奥に真っ白に山肌をむき出した急峻な沢その下に清冽な滝が姿を現す。
IMG_0012.JPG
最後の水場で休んで登りへの心積もりを吹き込む。とは言っても肌に食い込む陽射しが気持ちを萎えさせる暑さ。登山道入り口には12の番号が振ってあった。この番号は、12~0まで登山道に表示されている。途中で気づいたのだが100M上がるごとに付けられているようだ。小屋までのそれぞれに掛かった時間を記してみよう。
                                 烏帽子小屋 0                       
                                       [グッド(上向き矢印)]20分
                                      ①                           
                                    [グッド(上向き矢印)]40分
                                   ②
                                 [グッド(上向き矢印)]30分
                                ③                                
                               [グッド(上向き矢印)]45分
                            ④
                          [グッド(上向き矢印)]45分
                        ⑤
                       [グッド(上向き矢印)]40分
                     ⑥                  
                   [グッド(上向き矢印)]40分
                 ⑦               
                 [グッド(上向き矢印)]15分
              ⑧
            [グッド(上向き矢印)]35分
          ⑨
         [グッド(上向き矢印)]30分
      ⑩
    [グッド(上向き矢印)]30分
  ⑪
  [グッド(上向き矢印)]35分
⑫取付点

一目瞭然。7番から3番までの区間に時間がかかっている。厳しい登りに喘いだ区間だ。
登りはとに角ゆっくり行きたいし、そんなに苦労なことは好きではないので、一区間ごとに休みをとった。結果的に休みすぎて疲れた感も無いではないが、ゆっくり、まったり組としてはこれで満足。③から②の40分はもう到着気分で休んでいたし、後から来た20人の大パーティーが追い越していくのを眺めていたから。

では、改めて出発⑫番地点からゆっくり振り返ることにする。

キャンプ場からは、真っ白な河原の砂が太陽の光線をはね返し、暑さと眩しさに攻められること20分あまり。背中も重いし、足がなかなか進まない。寝不足かなあ。歩き始めだから?・・歳でしょう。

泉で一休みしていよいよ尾根の取付に。
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すぐ急な坂が始まり、後ろから来た2人に追い越される。随分ぺしゃんこなリュックだ。これで、何処まで行くんだろう。関西方面から来たと言っていたが。
砂礫の斜面には、鉄板とアルミパイプで作った急峻な階段が設置されていた。手すりにしがみ付いて登り切ると樹林帯に入った。
年数を重ねた立派なブナが木陰を作り、暑さを和らげている。「ブナがあるからブナ立尾根と言うんだろうね。」とIさん。本当。この森のブナは鍋倉山や浅草岳など人里近いところとは違い、勇壮で逞しい巨木が林立している。
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登山道沿いに咲き続け涼しい風を送る「ソバナ」
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「センジュガンビ」深山の花
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「ツバメオモト」濃い青紫に惹かれる
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下から見えた白い崖が今はすぐ横に位置している。少しの雨でも雪融けの水でも怒涛のように崩れていく姿を想像できる。容赦なく山の崩壊を進めている。写真ではうまく伝えられない。
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⑧番地点。ようやく3分の1・400Mを登った。樹木はいつの間にか「オオシラビソ」に変わる。
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深山の針葉樹林帯に生える「タケシマラン」  ・・鮮やかな実・・もう秋・・・・
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⑦番地点 それぞれの地点は休憩出来るスペースがある。
背負子の木枠が置かれていた。山中に人の気配、置いた人の心を想う。
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ここから登りはさらにきつくなる。花に感けて写真を撮って休みながら登る。
「テングダケ」「マイズルソウ」
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「イチヤクソウ(一薬草)」
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「コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)」
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「カニコウモリ」
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「ホタルブクロ」「ヤマハハコ」
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「クガイソウ」
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「マルバタケブキ(丸葉岳蕗)」
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ゆっくりではあっても、一歩一歩登っている。登りにも大分慣れてきた。
三角地点 ④番に着いた。3分の2は登った。
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③番地点には「タヌキイワ」・・・何処から見たらいいんだろう・・・タヌキにしては怖いなあ
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「ミヤマホツツジ」
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もう随分歩いて疲れてきた。林はダケカンバに変わる。亜高山帯から高山帯(ハイマツ帯)への境界線だ。もうじき稜線に出そう。そんな時、①地点に到着!見たこともないほど大きく見事に枝を伸ばしているダケカンバが林立。
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ゆっくり休憩
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しかし、この後小雨がぱらついて来た。小屋へはそこから僅か。稜線に出るとモーターの音が聞こえ少し下り、ようやく木立の向こうに小屋が見えた。小屋では先ず、鮮やかな青紫の花に迎えられた。周囲をぐるっと囲むように足元を縁取っているイワギキョウ。何人かの登山者がカメラを向けていた。しかし、空は黒い雲に覆われ、薄暗くなりぽつぽつと大粒の雨に変わってきた。イワギキョウを横目に小屋の中へと急いだ。と同時に強い雨が屋根を打ち、雷鳴を轟かせた。・・・あのイワギキョウはきっと小屋の方が育てたのに違いない。種を蒔いたのかな?


 夕食はα米とレトルトカレー  「柔らか牛肉たっぷりカレー」「漬物」
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